[Odyssey 1.1] 強襲型巡洋艦 (HAC) 調整ラウンド 2 (全文)

(※抜粋を以前掲載しましたが、その後この記事のことをすっかり忘れていました。少し時間が経っていますが CCP Rise による HAC 調整投稿の全文です)

公式フォーラム : 開発者スレッド 『強襲型巡洋艦 (HAC) 調整ラウンド 2 ([Odyssey 1.1] Heavy Assault Cruisers - round two)』 #1 より

(2013.07.29 12:02 by CCP Rise)


やあ!

さて HAC (強襲型巡洋艦) の話に戻ろうか。先日の HAC の調整案をめぐっては論点が山ほど (嘘だと思うならこちらをご覧あれ) 提起された。Tech という概念そのものにまつわる問題、役割において HAC と他の Tech 1 船、Tech 3 船、海賊船がかぶってしまっている問題、そしてもちろん各船の属性や性能に関しての個別の意見などがその主なものだ。できるかぎりこれらすべてをカバーしていきたいので、今のうちにお茶でも用意しておいてね。

役割の話から始めよう。コンセプトとして、Tech 1 は 「一般・汎用」、Tech 2 は 「特化」 であると、これまでもプレゼンやフォーラムへの投稿や開発者ブログで何度か説明してきた。もちろんそれが最終的なゴールであるのは確かなんだけど、なんらかのプロジェクトがそれと異なった方向性を強く指向するようであれば、その度合いに応じてこのコンセプトにも妥協が加わる。HAC がその好例だ。実装された当時、HAC は言ってしまえば単なるステロイド漬けのクルーザーだった。レジストを追加されたことによって得られる防御面でメリットが彼らの 「特化」 ポイントだと言えないことはないけど、レコン (※ Recon Ships = 電子戦型巡洋艦) やステルスボマー (※ Stealth Bombers = 隠密行動フリゲート中のステルス爆撃艦) などの特化性とは比べるべくもない。

今回こうして再調整を行うということで、HAC にも上記の大原則に沿ったかたちのまったく新しい役割や特化性を持たせ、コンセプト的に他の船種と並ばせることも検討したけど、最終的には従来の HAC を完全になかったことにしてしまうのは割に合わないという結論にいたった。HAC には長い歴史がある (そして長い歴史があるということはそれだけ愛着がわくということでもある) だけでなく、すでに HAC を用いた有効な戦術が定着しているし、そういったものを壊さないですむのであればそうしたかった。

以上をふまえてもらった上で話を進めると、みんなからのフィードバックの大半は HAC の役割をもっと明確にわかりやすくした方がよいという点で一致していた。性能ボーナスを追加しただけでは、基本的には十分でなかったし、何に特化しているのかいう点を、競合する船種との差別化という意味で僕らはもっとはっきりさせるべきだった。というわけで、HAC の耐久力に焦点を合わせることにしたんだ。HAC とは頑丈かつ機敏なクルーザー (巡洋艦) で、かなりの逆境にもある程度耐えられる船だ。僕らがここでやりたいのは、その粘り強さを他の部分、具体的にはターゲティングとキャパシタまわりにも拡張することだ。

  • すべての HAC のセンサー強度を 7~8 高める。これにより平均センサー強度は 22 となり、戦闘型 BS (戦艦) と同等のレベルだ。
  • すべての HAC のロックレンジを 15k~25k 増やす。
  • すべての HAC のキャパシタ回復速度を従来の 3.5-4.5 cap/秒 から 5.5 前後に設定する。

これらの変更を加える一方で、当初の性能ボーナス案 (※ MWD 使用時のシグ半径ペナルティ低減ボーナス) はそのまま維持することにした。このボーナスをめぐってたくさんの議論が交わされているのを見たり、自分でもそれに参加したりしたけど、そのたびに同じ問題に気づくんだ ― 追跡速度 (tracking) の計算方法が直感的に把握しづらいために、このボーナスの強さが過小評価されてしまっている。これを説明するために再びグラフを作ったんだけど、これはあくまで一例なので、実際の結果には幅があることは心にとめておいてほしい。

ダメージグラフ


左側 (※上) のグラフは 3種の船 (ヌルブラスタータロス、ヘビーミサイルドレイク、AHAC ゼレット) が性能ボーナスなしで MWD を起動したサクリッジに与えるダメージ。右側 (※下) は性能ボーナスありだ。非常に追跡速度が優れているゼレットはほぼ影響を受けていないけど、タロスとドレイクについては DPS が 25% ほど削がれているのがわかる。この 25% という数字がどれほどの重みをもっているのかという点で、また別の議論が発生してしまうかもしれないね。でも 25% というと、MWD を使用した状態で極めて大幅にダメージを低減できている、と見るのが普通だということはぜひわかってほしい。それと、すべての HAC が MWD を装備しているわけではないのはわかっている。でもそういった用途での HAC はそのままですでに十分に強力だし、MWD ボーナスを追加することでより幅広い分野で運用できるようにするほうが望ましいと考えたんだ。

オーケー、では具体的な数字を見ていこう。CSM やフォーラムのスレッドからのフィードバックの骨子は、競合する艦種に圧力をかけすぎてしまうことなく HAC をもっと強化する余地はまだ残っている、というものだった。というわけで、各船の変更点をチェックしながら僕らがそれをどう実現しようとしているかを見ていってもらえればと思う。注意 : カッコ内の差分は Tranquility 上の現行船との比較によるものだ。第一案との比較ではないよ。



同スレ #2 より

(2013.07.29 12:02 by CCP Rise)


サクリッジ (SACRILEGE)

キャパシタ回復速度ボーナスは廃止したかった。時代遅れで妙だし、主要武器にそもそもキャパシタを必要としない船にとっては大した恩恵がないからね。いろいろと検討したんだけど、最終的にはミサイルの飛行速度へのボーナスに落ち着いた。これは HAM を強力にサポートしてくれるはずだ。その他の変更点としては、フィッティングを微調整、シグネチャ半径を若干低減、そしてもちろんターゲティングまわりの調整だ。旧キャパシタ回復速度ボーナスの効果をまるまる船の基本性能に統合したわけではないけど、HAC のなかではサクリッジのキャパシタ回復速度が最も高くなっている。

  • 性能ボーナス : マイクロワープドライブ起動時のシグネチャ半径ペナルティーを 50% 軽減
  • アマー巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • ヘビーアサルトおよびヘビーミサイルのダメージに 5% のボーナス (ベヒーミサイルを追加)
    • 全アーマーレジスタンスに 4% のボーナス
  • 強襲型巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • ヘビーミサイルおよびヘビーアサルトミサイルの飛行速度に 10% のボーナス (キャパシタ回復時間へのボーナスは廃止)
    • ミサイルの発射頻度に 5% のボーナス
  • スロットレイアウト : 6H, 4M, 5L; 1 タレット(-3), 5 ランチャー
  • フィッティング: 1100 パワーグリッド(+70), 420 CPU(+20)
  • 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 1100(-293) / 2250(+162) / 1690(+2)
  • キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 1700(+75) / 255s (-80s) / 6.66s (+1.8)
  • 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 200(+2) / .567 / 11750000(-540000) / 9.24s(-.4)
  • ドローン (帯域幅 / 収容量): 50(+35) / 50(+35)
  • ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 70km(+20km) / 312 / 7
  • センサー強度 : 22 電波(+7)
  • シグネチャ半径 : 135(-5)



ゼレット (ZEALOT)

ターゲティングおよびキャパシタまわりへの調整以外は特に変更なし。

  • 性能ボーナス : マイクロワープドライブ起動時のシグネチャ半径ペナルティーを 50% 軽減
  • アマー巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型エネルギータレットのキャパシタ消費量に 10% のボーナス
    • 中型エネルギータレットの発射頻度に 5% のボーナス
  • 強襲型巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型エネルギータレットの最適射程範囲に (optimal range) に 10% のボーナス
    • 中型エネルギータレットのダメージに 5% のボーナス
  • スロットレイアウト : 5H, 3M, 7L; 5 タレット, 0 ランチャー
  • フィッティング: 1180 パワーグリッド, 340(+20) CPU
  • 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 980(-4) / 2250 / 1670(-18)
  • キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 1500 / 285s (-50s) / 5.26/s (+.78)
  • 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 210(+1) / .553 / 12580000 / 9.64s
  • ドローン (帯域幅 / 収容量): 0 / 0
  • ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 75km(+20km) / 306 / 6
  • センサー強度 : 21 電波(+8)
  • シグネチャ半径 : 125


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ケルベロス (CERBERUS)

ケルベロスに関しては、強さという点で第一案は十分とは言えないものだった。ケルベロスの運用方法には長距離ミサイルプラットフォームとしての面と、状況によってはスカーミッシャー (※攻撃力を持ったタックラー) としての面があるけど、そのどちらも現状より快適にこなせるよう、スピードを大幅に向上させ、追加のランチャーを快適に装備できるようフィッティングを改善した。キャパシタ回復速度への調整も最終的にはケルベロスにとってかなりの力となるはずだ。

  • 性能ボーナス : マイクロワープドライブ起動時のシグネチャ半径ペナルティーを 50% 軽減
  • カルダリ巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • キネティック属性ミサイルのダメージに 5% のボーナス
    • ミサイルの飛行速度に 10% のボーナス
  • 強襲型巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • ミサイルの飛行時間に 10% のボーナス
    • ミサイルの発射頻度に 5% のボーナス
  • スロットレイアウト : 6H, 5M, 4L; 0 タレット, 6 ランチャー(+1)
  • フィッティング: 800 パワーグリッド(+165), 520 CPU(+80)
  • 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 2000(-4) / 1200(+4) / 1400(-6)
  • キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 1200(+137.5) / 235s (-100s) / 5.1/s (+1.93)
  • 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 220(+45) / .463 / 12720000 / 8.17s
  • ドローン (帯域幅 / 収容量): 15(+15) / 15(+15)
  • ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 95km(+15km) / 282 / 6
  • センサー強度 : 24 重力(+8)
  • シグネチャ半径 : 135



イーグル (EAGLE)

イーグルについては目立った変更点はない。ターゲティングやキャパシタまわりへの変更以外に、速度を若干向上させ、シグネチャ半径を 10 低減し、レールガンを装備するのが多少楽になるよう、フィッティングをいくらか調整した。

  • 性能ボーナス : マイクロワープドライブ起動時のシグネチャ半径ペナルティーを 50% 軽減
  • カルダリ巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型ハイブリッドタレットの最適射程範囲に 10% のボーナス
    • 全シールドレジスタンスに 4$ のボーナス
  • 強襲型巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型ハイブリッドタレットの最適射程範囲に 10% のボーナス
    • 中型ハイブリッドタレットのダメージに 5% のボーナス
  • スロットレイアウト : 5H(-1), 6M(+1), 4L; 5 タレット, 2 ランチャー
  • フィッティング: 990 パワーグリッド(+115), 440 CPU(+2)
  • 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 2500(+391) / 1250(-16) / 1550(+3)
  • キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 1350(-25) / 255s (-80s) / 5.29/s (+1.2)
  • 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 180(+16) / .576 / 11720000 / 9.36s
  • ドローン (帯域幅 / 収容量): 0 / 0
  • ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 90km(+20km) / 252 / 8
  • センサー強度 : 25 重力(+7)
  • シグネチャ半径 : 140(-10)


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デイモス (DEIMOS)

デイモスについては速度を上げ、シグネチャ半径を少し低め、ターゲティングやキャパシタまわりへの変更ももちろん加えた。MWD のキャパシタ消費量ボーナスについてはさんざん検討したんだけど、最終的にはこれを置き換えるほどの候補はないという結論にいたった。(※その後アーマーリペアラの回復量ボーナスになりました)

  • 性能ボーナス : マイクロワープドライブ起動時のシグネチャ半径ペナルティーを 50% 軽減
  • ガレンテ巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型ハイブリッドタレットのダメージに 5% のボーナス
    • アーマーリペアラの回復量に 7.5% のボーナス
  • 強襲型巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型ハイブリッドタレットの精度低下範囲に 10% のボーナス
    • 中型ハイブリッドタレットのダメージに 5% のボーナス
  • スロットレイアウト : 5H(-1), 4M(+1), 6L; 5 タレット, 0 ランチャー
  • フィッティング: 1050 パワーグリッド(+60), 360 CPU(+10)
  • 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 1200(+40) / 2100(+60) / 2550(+19)
  • キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 1400(+25) / 255s (-80s) / 6.2/s (+2.1)
  • 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 230(+22) / .475(-.055) / 11460000 / 7.54s(-.875)
  • ドローン (帯域幅 / 収容量): 50 / 50
  • ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 85km(+20km) / 270 / 6
  • センサー強度 : 22 磁力(+7)
  • シグネチャ半径 : 150(-10)



イシュタル (ISHTAR)

最初のフィードバックの波が去った後に、もっとも懸念の声が集まったのはイシュタルだったと思う。なのでイシュタルには大幅な変更が加わった。まずドローン収容量ボーナスを船の基本性能に統合してしまい、ボーナスは別なものと置き換えた。ドローンの追跡速度と最適射程距離への「一律」 10% のボーナスだったものを、もっと個別的なボーナスとしてふり直した。一つはセントリードローンの最適射程距離と追跡速度、もう一つはヘビードローンの速度と追跡速度だ。そしてフィッティングにも大幅に調整を加えたよ (笑顔)。

  • 性能ボーナス : マイクロワープドライブ起動時のシグネチャ半径ペナルティーを 50% 軽減
  • ガレンテ巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • ヘビードローンの飛行速度と追跡速度 (tracking) に 7.5% のボーナス (中型ハイブリッドタレットへのダメージボーナスは廃止)
    • ドローンのヒットポイントとドローンの与えるダメージに 10% のボーナス
  • 強襲型巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • ドローンの制御範囲に 5km のボーナス
    • セントリードローンの最適射程範囲と追跡速度に 7.5% のボーナス (ドローン収容量ボーナスは廃止)
  • スロットレイアウト : 4H(-1), 5M, 5L; 4 タレット(+1), 0 ランチャー
  • フィッティング: 780 パワーグリッド(+80), 340 CPU(+55)
  • 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 1400 (-6) / 1600 (-18) / 2300 (+191)
  • キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 1400 (+275) / 265s (-70s) / 5.28/s (+1.9)
  • 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 195(+4) / .52 / 11100000 / 8.43s
  • ドローン (帯域幅 / 収容量): 125 / 375(+250)
  • ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 80km(+20km) / 294 / 7
  • センサー強度 : 23 磁力 (+7)
  • シグネチャ半径 : 145


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バガボンド (VAGABOND)

いやはや、バガボンドときたら。というわけで、バガボンドについてはスピードを若干引き上げて、以前とほぼ同様 (強襲型巡洋艦レベル 5 の場合) にし、ターゲティングやキャパシタまわりへの変更を加えた以外、基本的には第一案のままだ。

シールドブースター回復量ボーナスについて少し話をさせてほしい。僕らがなぜこれを選んだのかもね。僕らは時代遅れの速度ボーナスを何かもっと楽しくて魅力的なもの、それでいて船の強さに極端な影響を与えてしまうことがないもの (バガボンドは HAC の中ではすでに 2番目に多く活用されているからね) と置き換えたかった。そしてその過程で CCP Fozzie がシールドブースター回復量ボーナスを提案した。シールドブースター回復量ボーナスであれば他のミンマター船といい感じで並ぶし、新たな可能性も開ける。それに大局に与える影響は小さいという点でリスクも比較的低い、というのが理由だった。でもなぜかみんなの多くがこれを、僕らがバガボンドをブローラー (※ brawler = 近接ガチ殴り指向の船) に生まれ変わらせようとしている、と解釈したようだった。誓って言うけど、それは違う。もし僕がこのバガボンドを使うとしたら、バガボンドがこれまでもっとも得意としてきたスタイルとまったく同じ使い方をするだろうね ― そう、ヘビータックルだ。そして何が嬉しいって、シールドエクステンダーの 1つを大型補助シールドブースター (LASB) に置き換えられるってことだ。LASB がリロードに入るまでにエクステンダーよりも多くのヒットポイントを回復してくれる (それもリンク/ブースター/オーバーヒートなしでだ。ありならさらに強力になる) し、戦いが長期にわたるようならリロードすることもできる。実際、戦闘中にリロードを行うのはバガボンドが非常に得意としているところだ。その見事なスピードのおかげで戦闘の動向をコントロールすることができるからね。もしこれを特に魅力的だと感じないようであれば、このボーナスのことなど忘れてしまってかまわないんだ。ダブルエクステンダーでのこの船のパフォーマンス今までとまったく変わらないばかりか、性能ボーナスのおかげでダメージを山ほど低減してくれるんだからね。

バガボンドの抱えるもう一つの大きな問題はサイノバルとの競合だ。でも今回の HAC 調整の過程で、この 2船間の性能競争を行うことで問題を解決するのは避けたい。確かなのはサイノバルには再検討が必要だということで、海賊仕様クルーザー (巡洋艦) の調整にまでたどり着いたあかつきにはこの問題も解決できるものと考えているよ。

  • 性能ボーナス : マイクロワープドライブ起動時のシグネチャ半径ペナルティーを 50% 軽減
  • ミンマター巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型プロジェクタイルタレットの発射頻度に 5% のダメージ
    • シールドブースター回復量に 7.5% のボーナス (最高速度へのボーナスは廃止)
  • 強襲型巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型プロジェクタイルタレットの精度低下範囲に 10% のボーナス
    • 中型プロジェクタイルタレットのダメージに 5% のボーナス
  • スロットレイアウト : 6H, 4M, 5L; 5 タレット, 1 ランチャー(-1)
  • フィッティング: 900 パワーグリッド(+45), 400 CPU(+5)
  • 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 1750(+97) / 1400(+63) / 980(-4)
  • キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 1200(+137.5) / 245s (-90s) / 4.9/s (+1.7)
  • 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 295(+56) / .504 / 11590000 / 8.1s
  • ドローン (帯域幅 / 収容量): 25 / 25
  • ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 70km(+20km) / 330 / 6(+1)
  • センサー強度 : 21 光学(+7)
  • シグネチャ半径 : 115



ムニン (MUNINN)

シグネチャ半径を若干低めた以外は特に大きな変更はない。

  • 性能ボーナス : マイクロワープドライブ起動時のシグネチャ半径ペナルティーを 50% 軽減
  • ミンマター巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型プロジェクタイルタレットの発射頻度に 5% のボーナス
    • 中型プロジェクタイルタレットのダメージに 5% のボーナス
  • 強襲型巡洋艦レベル上昇ごとのボーナス :
    • 中型プロジェクタイルタレットの最適射程範囲に 10% のボーナス
    • 中型プロジェクタイルタレットの追跡速度に 7.5% のボーナス
  • スロットレイアウト : 6H(-1), 3M, 6L(+1); 5 タレット, 1 ランチャー(-2)
  • フィッティング: 1160 パワーグリッド, 355 CPU
  • 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 1580(-2) / 2000(-4) / 1400(-6)
  • キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 1300(+50) / 255s (-80s) / 5.1/s (+1.4)
  • 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 210(+14) / .571 / 11750000 / 9.3s
  • ドローン (帯域幅 / 収容量): 25 / 25
  • ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 80km(+25km) / 294 / 6(+1)
  • センサー強度 : 21 光学(+8)
  • シグネチャ半径 : 125(-5)




同スレ #1332 より

(2013.08.02 17:22 by CCP Rise)


オーケー、まだいまいち本調子じゃないし、多分来週もう一度確認するとは思うけど、僕の今の考えを話したいと思う。

一番懸念があがっているのがデイモスだと思う。スロットレイアウトやスピードが改善されたことに加えてレールガンも強化されたことで、この船がスカーミッシャーとして非常に強力な存在になるとは思っているけど、ガチ殴りブローラーとしての面でがっかりしている人が多いことは十分把握している。ブローラーとしてどんなパフォーマンスをこの船に求めるかは、どのようなスタイル・規模の PvP を君が好むかによっても変わってくるだろうけど、僕らとしては何らかのかたちでこの船を再びブローラーとしての方向に軌道修正したいと考えている。少なくとも基本アーマー HP については多少なりとも返してあげたい (おそらく追加したシールド分から)。具体的な数値はまだ出せていないんだけど、来週の頭にはお知らせするよ (※上掲の値はすでにこの分が含まれています)。もう一つすごくやりたいことがあって、デイモスにアーマーリペアラ回復量ボーナスを与えたい。カイティング (※引き撃ち) フィットにハンディキャップが加わる程度にキャパシタ回復量が抑えられているかぎりにおいて、MWD のキャパシタ消費量ボーナスをいい感じで置き換えてくれるものと考えている。回復量ボーナスは、この船を大規模 AHAC フリート的なスタイルで運用をするぶんには大した恩恵はないけど、小規模な戦いでの可能性をいろいろと開いてくれると思う。また、回復量ボーナスはガレンテ船が持つ傾向にもマッチしているよね。キャパシタ消費量ボーナスはなんというか異質だった。自分のスタイルにそぐわないということで回復量ボーナスに存在意義を見いださない人はたくさんいるとは思うけど、小規模指向のプレイヤーには新たな可能性を開き、この船を効果的なブローラーにしてくれるはずだ。それもほぼ何一つ犠牲にすることなくね。

デイモスの他にも、他の船と比べて注目度が高い船がいくつかあるようだね。でもこれらの船については、1.1 を実装するまでは大きな変更を加えない予定だ。具体的にはバガボンド、ムニン、サクリッジだ。

バガボンド : この船のデザインにこれだけの異論がでていることについては、僕としてはいまだに理解できないでいる。不満の内容は多岐にわたるけど、なかでも筋が通っていると思えるのは、バガボンドはその競合相手 (デイモス、ケルベロス) に比べると、実際に敵にダメージを与える上で (※ダメージのとおりの点で) 不利である、というものだ。一つ納得してもらわないといけないのは、バガボンドはそのダメージのとおりの悪さを補ってあまりあるだけの大幅なアドバンテージを他の分野でもっている、ということだ。たとえばケルベロスと比べてみると、圧倒的に早く、ユーティリティーハイを持ち、シグネチャ半径も目に見えて小さい。これらをどれほど重要と見るかはもちろん人それぞれだけど、このうえダメージまで他の船と同等のレベルで与えられるようにするわけにはいかないのはわかってもらえると思う。さもないと単純にすべての面で他を上回ってしまうことになるからね。

ムニン : 4つ目のミッドスロットがほしいのはわかるけど、それはしないと思う。ロースロットを追加したことでムニンはこれまで得意としてきたあらゆる分野 (主にシールドアーティレリフリート) で性能 (ダメージまたは速度) の向上が見込める。また、アーマー防御に手を出すこともできるようになった。それがものすごくはやるとは思えないけど、ミンマター船としては両方を視野に入れられるのは大切なことだと思う。特に、バガボンドが以前よりもいっそうシールドを指向している今となってはね。

サクリッジ : これらの船の中でもサクリッジは調整に苦労した船であるのは間違いないけど、かなりいい感じに落ち着いたのではないかと思う。スロットレイアウトやボーナスについて他にもいくつかの案を検討したんだけど、レジストボーナスを持っていることですぐに強くなりすぎてしまうんだ。また、他の HAC のように防御と火力をがっちり固めた船ではなく、膨大な運用範囲をもったフリート指向の船に仕上がった点を僕らとしては気に入っている。そういう理由もあってユーティリティーハイと 4つ目のミッドスロットは残しておきたかった。ロースロットがもう一つあれば、ブローラー一直線な船として単純に強くなっていただろうけど、僕らがやったようにドローン DPS を追加し、フィッティングにも余裕を持たせたことでブローラーとしての性能を大幅に強化しつつ、さまざまな運用が可能な多目的 HAC としてのキャラクターも維持できた。

イシュタル : 軽く触れておきたい。スロット数が他と比べて 1つ少ないことを疑問に感じている人がいるかもしれないけど、ドローン指向船ではこれはごく普通のことなんだ。今回の調整を経る船のなかでもイシュタルは間違いなく最強の一角として生まれ変わると考えているし、当然それをさらに強くしてしまうようなことはしない。

Tech 1 版にくらべてスロット数が 1つ増えるべきか 2つ増えるべきかという問題について : 正直なところすべての船にスロットを追加するなんて話はしたことがないんだけど、実際問題としてスロット数は大した問題ではないんだ。もしスロットを追加していたとしたら、バランスを取るために他の部分で性能を削っていただろうからね。ある艦種の総スロット数は、その艦種が想定された役割を果たすにあたって、与えられたスロット数でうまく機能するか否かにもとづいて設定されるべきだし、そうであればたくさんスロットを追加したからといって、あたかもその船がとつぜん大幅に強くなる、といった性質のものではないということだ。

体の心配をしてくれてありがとう。今はだいぶ調子いいよ。デイモスの調整について意見を聞かせてほしい。今夜、もしくはアライアンストーナメントが終わった来週には読ませてもらうよ。(※後略)




同スレ #1355 より

(2013.08.02 18:52 by CCP Rise)


カルダリの HAC に言及しなくてすまなかったね。どちらもいい状態にあると考えているからなんだ。

正直ケルベロスについては強すぎるのではないかと心配している。一番の懸念は RLML (高速ライトミサイルランチャー)。極めてダメージのとおりがよく、補足範囲も広い一方で、フィッティング要件は非常に小さい。最大 DPS (※ HML、HAM など) をとるか実効ダメージ (※ RLML) をとるかで選択の余地があるのはいいことだけど、とにかく RLML ケルベロスは少々やばいことになりそうだ。全体的に見てもこの船はかつての鈍足さやフィッティングのしにくさを改善されたわけだしね。

イーグルについてはもう少し判断が難しい。でも強すぎるか弱すぎるかで言えば、強すぎる側にいるだろうね。イーグルは小規模戦でのスカーミッシャーというよりはフリート指向の船なのは間違いないだろうけど、そういった運用をするぶんにはかつてよりもずっと優れた船になった。強化されたセンサー、小さなシグネチャ半径、フィッティングの改善、そして何よりも大きいのがユーティリティーハイをミッドスロットに持っていったこと。つまりぼくらとしては AHAC スタイルのイーグルフリートが強くなると見込んでいるんだ。レールガンが強化されたこともあるしね。実際にどう活用されるかは今後様子を見ていく必要があるけど、イーグルについては基本的に心配していないよ。

価格の問題について : HAC の価格が上昇していることで、HAC がその金額に見合わない、HAC を買うべきでないと考えるのは自由だけど、価格が上昇している以上それだけの価値がでると考えている人がいるのは明らかだ。HAC の価格がその性能に見合ったものであるとは必ずしも思わないけど、価格が下がるべきだとも思わない。それに今回の調整を経ることで HAC は多くのプレイヤーにとって (僕を含む) 十分に値段に見合った船になるはずだよ。

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