(2013.08.29 19:34 by CCP Ytterbium)
『
何度かほのめかしてはきたけど、Tech 2 船調整の次候補はマローダーだ。そして、ついにみんなからのフィードバックを募れる段階にきた!
マローダーが実装されたのは 2007年の Trinity 拡張で、当初は PvE 活動を指向した船として実装された。でも他の船種 (特に海賊仕様船) に次々と調整が加わっていくなかで、PvE におけるマローダーの魅力は全体的に失われてしまった。
また、特定の活動に狙いを絞ってマローダーをデザインするのは、『遊び方がプレイヤー間から自然発生する』 EVE の特徴にそぐわないとも考えている。なので、PvP にも使えるよう用途を拡張していきたい。もちろん、高額な船だし機動力も低いことを考えると、PvP においては常にニッチな船とはなるだろうけど、少なくとも 『ECM さえかけておけば、殴り放題の練習台』 よりはもう少し魅力のある立場にしてあげたい。
というわけで、内部でのおよび CSM との議論を重ねた結果、マローダーには 2つのモードを持たせることになった。それぞれのモードに特有の性能をもたせてね。
- レギュラーモードでは、現行のマローダーとほぼ同様の性能だけど、他の船よりも MJD を短い間隔で使用することができる。戦場ですばやく位置取りの調整ができるようになるね。
- 布陣モード (bastion (バスティオン) と呼ぶよ) では、船体がトランスフォーム (ロークアルみたいに、かっこいいアニメーションがつく) し、固定の砲台になるんだ。レジスタンス・防御・射程距離にボーナスを得て、電子戦が効かなくなる。でもドレッドノート (攻城艦) と同じく、外部からの支援は受けられなくなるし、動くことすらできない。またこの間は MJD を使うこともできない。
これらのモードを組み合わせることで、マローダーは、状況の変化に MJD を使って素早く対応することができ、かつ 100km 離れたところでバスティオンモードにチェンジすることで、ダメージには耐えつつ、ブーストされた射程距離を活かすことができる船になったんだ。でも、バスティオンモードではリモート支援は受けられないし、MJD を使うことで孤立してしまうわけだから、大規模戦のように大火力が集中するタイプの戦場ではこれまでと変わらずすぐに撃墜されてしまうだろうね。MJD には作動前に予備時間が必要だし、軸合わせをする必要もあるわけだから、再びジャンプを行うまでの間にワープ妨害をかけられてしまう可能性がある点には気をつけて。
これらにより、マローダーはキャピタルとサブキャピタル (※キャピタル船未満 = BS (戦艦) 級以下の船) のあいだの橋渡しとなり、キャピタル船独特の siege/triage タイプの能力に親しんでもらえる船になる。また、僕らとしては必ずしも火力面やスピードで海賊仕様船を上回らせたいわけではないってことは、言っておいたほうがいいかもしれないね。そうではなく、マローダーは防御と射程で上回る船になるんだ。
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さて、船体そのものの性能に話を移す前に、Bastion モジュールの詳細だ。
Bastion モジュール (※バッションモジュール)
- シールド・アーマー・ストラクチャに 30% のレジスタンスボーナス。これはダメージ制御 (Damage Control) モジュールと同様に働く (スタッキングペナルティーなし)。
- シールド・アーマーリペア回復量 100% アップ。
- すべての大型タレットの最適射程距離 (optimal range) と精度低下距離 (accuracy falloff) を 25% 延長。
- すべての大型ミサイルの飛行速度を 25% 増加。
- 「60秒/サイクル」 のサイクル時間をもつ。
- Bastion モード中は電子戦に対して完全耐性を得るが、いかなる外部支援も受けられなくなる。
- Bastion モード中はスピードが 0m/s に固定され (質量は変わらない)、ワープできなくなる。また兵器タイマーが起動するので入港やゲートジャンプができなくなる。兵器タイマーは起動するが、セーフティー設定を解除する必要はない。 (※当初は、ハイセクで Bastion モードに切り換えるためにはセーフティー設定を解除する必要がある、との説明でしたが、批判が大きかったため 『安全』 設定でも Bastion モードが使用できるようになるようです)
- 1隻につき 1つしか装備することはできない。サイクルの途中で停止させることはできない。
- 装備するにあたって 10 CPU、100 パワーグリッドを消費する。
- 特定の燃料を必要としたり、キャパシタを消費したりはしない ― 燃料として重水 (Heavy Water) を使用させることも検討していたんだけど、そうしたからといって特に何が面白くなるというわけでもない (CCP Rise が述べたように、こういった船にとっての戦闘における最大の命綱は、キャパシタなんだ)。それに、現状でさえ消耗品として弾薬、キャップブースターを必要とし、サルベージのためにカーゴを空けておかなければいけないのに、そこにさらに重水まで追加する必要もない、ということでやめたんだ。
- モジュールを使用する上で必要となるスキル
高エネルギー物理学 (High Energy Physics) レベル 4- 高度兵器強化 (Advanced Weapon Upgrades) レベル 5
- エネルギー回路強化 (Energy Grid Upgrades) レベル 5
いずれの事項も、今後変更される可能性があることは心にとめておいてね。今から 《高エネルギー物理学》 をスキルトレーニングしておくかどうかは自己責任で。調整の過程で変更が加わる可能性もあるので。
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でも、新しい戦術モードを与えるだけでは十分ではなくて、船体そのものにも調整が必要だ。第一に、マローダーには移動に MJD を活用してもらいたいので、同型の Tech 1 船に次ぐレベルにまで機動力を落とした (質量を若干高く、最高速度を低く)。また、マローダーはメイン武器を使って戦ってほしい船種なので、ドローンベイの容量も減らした。
ただ、マローダーにはいくつか問題があることも認識している。なので、MJD と大型キャパシタブースターの同時使用がもっと楽になるよう (特にヴァーガーはこれを必要としていた)、フィッティングを改善した。また、 Bastion モジュール用として使用される分を考慮して、ハイスロットを 8つに増やす。さらに、最大ターゲット範囲とスキャン分解能を増強することで、強化された射程距離をいくぶん活かしやすくし、その一方でシグネチャ半径は小さくする。
最後にコンボボーナスとして、ターゲットペインターのサイクル時間を 10秒から 5秒に短縮し、キャパシタ消費量もそれに沿うよう引き下げる。ゴーレムにとっては、別のターゲットを攻撃したいのにターゲットペインターのサイクル待ちをしなければいけない状況は非常に苦痛だったからね。
(※ターゲットペインターのサイクル時間ですが、モジュールの性能そのものの話になります。マローダーやゴーレムに装備された場合に限った話ではありません)
変更点の詳細は以下のとおり。
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PALADIN (パラディン)
- 性能ボーナス : 大型エネルギー武器のダメージに 100% のボーナス、トラクタービームの距離と速度に 100% のボーナス、MJD の再起動時間を 70% 短縮
- Amarr 戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- キャパシタ容量に 5% のボーナス
- 大型エネルギータレットの最適射程距離に 7.5% のボーナス (ウェブの効果へのボーナスは廃止)
- 襲撃型戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- アーマーリペアラの回復量に 7.5% のボーナス
ウェビファイアによる速度低減率に 7.5% のボーナス- 大型エネルギータレットのダメージに 5% のボーナス
- スロットレイアウト : 8H(+1), 4M, 7L; 4 タレット, 0 ランチャー
- フィッティング: 16500 パワーグリッド (+3000), 530 CPU (+30)
- 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) :
6300(-500) / 8000(-200) / 7700(+400)
6900(+100) / 8800(+600) / 8500(+1200) - シールドレジスタンス : 0% EM / 62.5% EX / 47.5% KIN / 20% THERM
- アーマーレジスタンス : 50% EM / 40% EX / 34.375% KIN / 35% THERM
- キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) :
8000(+2375)7500(+1875) / 1000s (+76.1s) / 8 cap/s (+2) - 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間):
85 m/s(-20)100 m/s(-5) / .119(-0.009) /111665000(+6465000)92,245,000(-12,955,000) /18.42s15.22s - ドローン (帯域幅 / 収容量): 25(-50) /
50(-25)75 - ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 91km(+10km) / 120(+39) / 10
- センサー強度 : 12 電波
- シグネチャ半径 : 420(-80)
GOLEM (ゴーレム)
- 性能ボーナス : クルーズミサイルとトルピードのダメージに 100% のボーナス、トラクタービームの距離と速度に 100% のボーナス、MJD の再起動時間を 70% 短縮
- Caldari 戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- クルーズミサイルとトルピードの飛行速度に 10% のボーナス
- クルーズミサイルとトルピードの爆発速度に 5% のボーナス
- 襲撃型戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- シールドブースター回復量に 7.5% のボーナス
ウェビファイアによる速度低減率に 7.5% のボーナス- ターゲットペインターの効果に 10% のボーナス
- スロットレイアウト : 8H(+1), 7M, 4L; 0 タレット, 4 ランチャー
- フィッティング: 8500 パワーグリッド (+2000), 715 CPU
- 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) :
8000(-200) / 6100(-1200) / 7000(+300)
8800(+600) / 6700(-600) / 7700(+400) - シールドレジスタンス : 0% EM / 50% EX / 47.5% KIN / 40% THERM
- アーマーレジスタンス : 50% EM / 10% EX / 34.375% KIN / 58.75% THERM
- キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 6325(+700) / 1150s (+226.1s) / 5.5 cap/s (-0.5)
- 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間):
85 m/s(-20)100 m/s(-5) / .12 /114195000(+8995000)94335000(-10865000)/19s15.69s - ドローン (帯域幅 / 収容量): 25(-50) /
50(-25)75 - ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 95km(+5km) / 105(+32) / 10
- センサー強度 : 14 重力
- シグネチャ半径 : 450(-125)
KRONOS (クロノス)
- 性能ボーナス : 大型ハイブリッド兵器のダメージに 100% のボーナス、トラクタービームの距離と速度に 100% のボーナス、MJD の再起動時間を 70% 短縮
- Gallente 戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- ハイブリッド兵器のダメージに 5% のボーナス
- ハイブリッド兵器の精度低下距離に 10% のボーナス (ウェブの効果へのボーナスは廃止)
- 襲撃型戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- アーマーリペアラの回復量に 7.5% のボーナス
ウェビファイアによる速度低減率に 7.5% のボーナス- 大型ハイブリッド武器の追跡速度に 7.5% のボーナス
- スロットレイアウト : 8H(+1), 4M, 7L; 4 タレット, 0 ランチャー
- フィッティング: 14000 パワーグリッド (+2000), 580 CPU (+30)
- 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) :
6600(-200) / 7200(-100) / 8600(+400)7300(+500) / 7900(+600) / 9500(+1300) - シールドレジスタンス : 0% EM / 50% EX / 55% KIN / 30% THERM
- アーマーレジスタンス : 50% EM / 10% EX / 51.25% KIN / 43.125% THERM
- キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 6900(+1275) / 1150s (+226.1s) / 6 cap/s
- 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間):
92 m/s(-28)105 m/s(-15) / .114(-0.0038) /113160000(+11360000)93480000(-8320000) /17.8s14.77s - ドローン (帯域幅 / 収容量): 50(-25) /
50(-75)125 - ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 90km(+3km) / 120(+39) / 10
- センサー強度 : 13 磁力
- シグネチャ半径 : 420(-80)
VARGUR (ヴァーガー)
- 性能ボーナス : 大型プロジェクタイル兵器のダメージに 100% のボーナス、トラクタービームの距離と速度に 100% のボーナス、MJD の再起動時間を 70% 短縮
- Minmatar 戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- 大型プロジェクタイル兵器の発射頻度に 5% のボーナス
- 大型プロジェクタイル兵器の精度低下距離に 10% のボーナス
- 襲撃型戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- シールドブースター回復量に 7.5% のボーナス
ウェビファイアによる速度低減率に 7.5% のボーナス- 大型プロジェクタイル兵器の追跡速度に 7.5% のボーナス
- スロットレイアウト : 8H(+1), 6M, 5L; 4 タレット, 0 ランチャー
- フィッティング: 12900 パワーグリッド(+5000), 625 CPU
- 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) :
7500(-100) / 6600(-200) / 6300 (-1000)8300(+700) / 7300(+500) / 6900 (-400) - シールドレジスタンス : 25% EM / 50% EX / 40% KIN / 30% THERM
- アーマーレジスタンス : 70% EM / 10% EX / 25% KIN / 43.125% THERM
- キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 6200(+575) / 1100s(+176.1s) / 5.6 cap/s (-0.4)
- 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間): 1
00 m/s(-30)110 m/s(-20) / .112(-0.004) /116840000(+10740000)96520000(-9580000) /18.1s14.99s - ドローン (帯域幅 / 収容量): 50(-25) /
50(-25)75 - ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数): 81km(+6km) / 145(+60) / 10
- センサー強度 : 11 光学
- シグネチャ半径 : 360(-65)
』
([冬拡張] マローダー (襲撃型戦艦) の調整 - 02 に続く)
(※半分ぼやき的な追記 :
"Bastion Module I" は日本語 UI では 「バッションモジュールI」 という表記になったようですね。
当ブログではこのアイテムをカタカナで仮表記するにあたって、英語の発音 (「バスティぁン」 とか 「バスチゃン」 的な音) に倣い、それをいくぶん日本語読みにした 「バスティオン」 という表記にしていました。
日本語 UI で採用された 「バッション」 という表記についてですが、アルファベット系諸国を中心として "bastion" という綴りにはさまざまな音があてられていることでしょうし、数ある発音の中から英語読みだけを採用するべきだ、などとも思いませんので、もしどこかの国の発音が 「バッション」 的なものであり、日本語クライアントではそれを採用したのだということであれば、それはそれで結構なことだと思います。(というか、よくよく確認してみると今回のモジュールの実装前から "bastion" という文字列を名前に含んだアイテムはすでにゲーム内に存在しており、これらについても日本語 UI では 「バッション」 という読みをあてていたようですね)
ただ、日本語 UI でのアイテム名や NPC 海賊名のカタカナ表記に、英語の読み間違いであることが明らかなものが見受けられるということもあり、「バッション」 についても、実はただの誤読なのではないか、と、つい心配になってしまう次第です。)
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