同スレ #924 より
(2013.04.08 13:28 の記事 by CCP Fozzie)
『やあみんな、遅くなって申し訳ない。この一週間ちょっとてんやわんやでね。時間が少しできたのでこのスレで上がっている質問やコメントについて色々と書いていきたいと思う。フィードバック本当にどうもありがとう。どれもすごく助かるよ。
なんでナーフ (弱体化) するのよ?他のモジュールをバフ (強化) したほうがいいだろう!
これはアイテムや船の能力を落とす話題になるとよく出てくる意見だね。気持ちはすごくよくわかる。バフをしたほうがたくさんの人を幸せな気分にするのは間違いない。手持ちの装備の有効性が高まるのは単純に気分のいいものだよね。次々と装備品を強化し、それによってプレイヤーの関心を高めるというスタイルを採っているゲームはたくさんあるし、そういったゲームはその方向性でうまくいっているんだろうと思う。
僕がどう考えているかだけど、Retribution 拡張の前にヘビーミサイルスレッドで僕が述べたことをまずは引用させてもらおうと思う。そこで述べたことがここでも当てはまるからだ。
《CCP Fozzie》
EVE のようなゲームのバランスを調整するときには、パワークリープ (※ power creep: じりじりとプレイヤーが強化され、最終的に過度になってしまうこと) のもたらす危険には細心の注意を払わないといけない。どのプレイヤーも装備品のあくなき強化を目指すタイプのゲームならパワークリープは大した問題にはならない。初めから装備が強化されていくものとしてゲームが設計されているからだ。それに対して EVE のようなサンドボックスタイプのゲームの場合、ゲーム内での目標は一人ひとりのプレイヤーの意思に委ねられている。そのためゲーム内に存在するアイテムが一人ひとりのプレイヤーにとって、目標を達成するための道具として興味深くバランスのとれたものとなるよう気をつけないといけない。EVE では何か一つのものをバフするたびに、その余波としてそれ以外のすべてのものがわずかにナーフされることになるんだ。そしてそのような事態を避けなければいけないのであれば、ヘビーミサイルの能力を引き下げる方向でバランスを調整するのが最善策となると考えている。
EVE ではパワークリープは一切発生しないと言えば嘘になる。実際、強化する方向で調整したほうがはるかにはるかに簡単だし、短期的な顧客満足度を上げるための武器としての強力さを考慮すると、パワークリープをまったく起こさないで済ますのはすごく難しい。それでもこの特効薬はよくよく気をつけて使わないといけないんだ。そして長期的な視点から見たゲーム内の生態系を健全に保つために、ときにはあるアイテムや船の能力を単純に引き下げてしまうのが正解なこともある。今回もそのような場合の一つだと思うんだ。僕たちは気が進まなくても避けたりはしないし、ゲームにとって何が最善なのかを考えた上で、上方なり下方なりの調整を行なっていると誓えるよ。必要もないのにアイテムや船の能力を引き下げたりはしないけど、僕たちの仕事は長期的な視点から見たゲームの健康を保つことなのだということは常に意識している。それに Odyssey に向けての「ナーフ」はこの件だけでは終わらないよ。
バランスを優先して能力を抑える企業や軍隊なんて現実世界では存在しないんだし、そんなことを考える必要があるの?(※現実世界だって強い国・企業が存在しているんだから強いモジュールがあったってかまわない、バランスが取れていないほうがリアルだ的な論調、多分)
ゲームの仕様が現実と相容れない状況というのは多々あるけど、これもその一つだ。ゲームのリアリズムを高めるために、ゲームのシステムはできる限り現実世界に存在している物事を模してデザインするけど、結局ゲームに求められているのはリアリズムではなくバランスなんだ。ゲームの面白さを削いでまで「リアルさ」を追求するよりも、非現実的でもいいから (ゴホッ、りっ、ゴホッ、流体力学っ、ゴホッ) 面白いゲームを作りたいんだ。
トラッキングエンハンサー (TE) のどこが強すぎるわけ?どこが問題なの?
あまりにも長く現状が続いていたため、得られる利点に比べての欠点の小ささを忘れてしまいがちだ。現状の TE はレンジスクリプトを噛ませたトラッキングコンピューター (TC) と同じレンジボーナスを得られるのに加えて、追跡速度 (tracking) への決して小さくはないボーナスをタダで得られ、CPU 消費は TC より少なくキャパシタも消費しない。精度低下距離 (falloff) が追跡速度系モジュールに追加されて以来、ショートレンジ武器とともに TE が大幅に普及してきた。近年小規模 PvP でアーマーフリートよりシールドフリートの方が圧倒的に好まれていたのは、シールド艦はロースロットを TE にあてることができるという点がその一因となっていた。僕は今回の変更を経てもなお TE は十分有用で強いモジュールのままだと確信しているよ。
ファクション (勢力) TE についてはどうなの?いいところがないようだけど。
最初の記事でファクション TE の利点にはっきりと言及しなかったのは、ファクション TE につくおまけボーナスはいつだって追跡速度へのものだったからなんだ。レンジではなくね。今回追跡速度への変更はないから最初の記事にも含めないことにした。レンジ面でのボーナスを強化した高メタの TE は将来的にはあってもいいと思うけど、今のところはファクション TE の持つ追跡速度面での強さは十分な魅力になっていると思うし、すぐにでも調整を行わなければいけないというような状態にはないと思う。
サイノバルとマカリエルにとって痛手となるのは意図的なの?
多くの人がエンジェル系の船に何の相殺措置もとることなく今回の TE の調整を行うことに驚いているようだね。はっきり言ってしまうけど、今回の調整でサイノバルそして特にマカリエルが影響を受けるのは意図的だ。それでもマカリエルは追跡速度の高いオートキャノンを使ってずば抜けた攻撃能力を有しており、今回の変更を経ても十分強力でつかえる船のままだよ。ショートレンジの武器を使っての攻撃能力に若干の下方修正を加えるのは意図的だし、バランスを保つためには必要なことだ。
33% もレンジが減少するなんてひどいじゃないか、おい。ちょっとやりすぎでは?
もう何人か説明してくれているけど、ざっと触れておこう。モジュールが与えるボーナスが 33% 減少したからといって、そのモジュールを装備した船の実際のレンジが 33% 減少するわけではない。船の実際のレンジへの影響は多くの場合それほどのものではないんだ。TE を 2つ積んでヌル弾を撃つタロスの場合、変更前が 16.4+28.7、変更後が 15.1+24.7 となる。確かに影響は小さくはないけど、最適射程距離 (optimal) と精度低下距離そのものが 1/3 カットされてしまうなどという悲劇に比べれば大したことはない。今回の変更がみんなのお気に入りのフィットにどれほどの影響をあたえるのかは簡単に調べられる。EFT や Pyfa で T2 TE を T1 に交換すればいいんだよ。やってみて!
接敵距離を縮めてワープスクランブラーの射程内で戦わせるのが今回の変更の目的なの?
今回の変更で一部の船はロングレンジからの攻撃能力が低下することになる。でもどんな接敵距離でも攻撃の手段はあるはずだし、スクラムやウェブの射程内で戦わなければ「いけない」なんてことはないはずだ。この変更で攻撃力を犠牲にして敵との距離をとって戦うのか、リスクを犯して高火力での戦いを挑むのかという選択が多くの船にとって避けられないものになると思うけど、それは意図的なものだ。一部のショートレンジ武器がカイティング (※引き撃ち) での有効性を削がれることになるけど、それも意図的だ。EVE の世界の武器にはどれも利点と欠点があり、当然レンジがその欠点とされる場合もある。どんな武器でもカイティングに使えてしまっては、ロングレンジの武器を選ぶ利点が薄まってしまうよ。
トラッキング妨害器 (Tracking Disruptor) がますます手が付けられなくなるよ!
複数台のレンジスクリプトを噛ませた TD にさらされるといった現実的な場面においては TE の能力に変更の前後で大した差はない (※どちらにしろ当たらないから)。TD は強力だけど対抗手段はある。もちろん電子戦のバランスについては継続して目を光らせていくし、必要であれば調整もしていくよ。
メタレベルモジュール (※メタ 1 ~ メタ 4 のモジュール) だけど、能力の上がり方がしょぼいものがたくさんあるんだけど。メタものの調整はいつ?
多数のモジュールでメタレベル間のバランスが非常にまずいことになっている、という指摘についてはまったくもって同意だ。もちろん今後対処していきたいと思っている。でもそれよりも優先順位の高い案件がたくさんあるから、メタものの包括的な調整を行えるようになるまでにはしばらくかかるかな。
TE や TC では精度低下距離は最適射程距離に比べて 2倍のボーナス値となっているけど、リグやインプラントでは同量のボーナスしか得られない。これは変えないの?
これは問題としては認識はしているんだけど、いつ調整するかというと確かなことは言えない。また実際に調整をするとしてボーナス量を 2倍とするかどうかについてもなんとも言えない。別な乗数を採用してそれに基づいて効果を再調整するかもしれないし。』
同スレ #930 より
(2013.04.08 14:13 の記事 by CCP Fozzie)
『
《CCP Fozzie》
トラッキングエンハンサー (TE) のどこが強すぎるわけ?どこが問題なの?
あまりにも長く現状が続いていたため、得られる利点に比べての欠点の小ささを忘れてしまいがちだ。現状の TE はレンジスクリプトを噛ませたトラッキングコンピューター (TC) と同じレンジボーナスを得られるのに加えて、追跡速度 (tracking) への決して小さくはないボーナスをタダで得られ、CPU 消費は TC より少なくキャパシタも消費しない。精度低下距離 (falloff) が追跡速度系モジュールに追加されて以来、ショートレンジ武器とともに TE が大幅に普及してきた。近年小規模 PvP でアーマーフリートよりシールドフリートの方が圧倒的に好まれていたのには、シールド艦はロースロットを TE にあてることができるという点が一因となっていた。僕は今回の変更を経てもなお TE は十分有用で強いモジュールのままだと確信しているよ。
《TrouserDeagle》
今回のナーフが十分だという根拠は?精度低下距離ボーナスつきの船にのったオートキャノンは変わらずあらゆる距離で格下の船を蹴散らすことになるよ。例の『ショートレンジの追跡速度をロングレンジで』でね。シールド防御のタロスも同様だ。
TE へのナーフはこんなのよりもっと強烈なのを想像していたよ。タレットの全ステータスに効果があり、フィッティングも楽、キャパシタはくわない、比較的重要度の低いスロットを使用ときてるんだから、兵器強化 (Weapon Upgrades) 界のパワー計測システム (Power Diagnostic System) 的な立ち位置に落とされるのかと思ってた。
必要であれば今後いくらでも調整を加えられるよ。』
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