(2013.04.10 16:03 by CCP Ytterbium)
『CCP は新入社員の面倒見がすごくいいんだ。彼らは入社すると定評ある特製トレーニングプログラムを受ける。3ヶ月間地下の独房に監禁され、電気ショックによる執拗な洗脳と、意欲増進用のサウンドトラックを用いた急速ボディビルトレーニングを受けるんだ。
CCP Fozzie はこのプログラムで優秀な成績を修めたものの、ときどき興奮を抑えられなくなってしまう困り者 (そんな時は拘束具の出番だ)。でも新たに CCP Rise を僕ら「調整の鬼」軍団に迎え、さまざまなプロジェクトを効率よくこなす準備がいよいよ整った。
さてそのプロジェクトだけど、今日は海軍仕様船のオーバーホールについて話したい。
EVE を始めて間もないプレイヤーのために説明すると、海軍仕様の船は通常の tech 1 船に比べて高い性能を持っていて、他のプレイヤーから買うのは気が進まなければ最寄りの海軍もしくは友好関係にある義勇軍 (FW) のストアで手に入れることができる。
でもこれらの船はずいぶん放置されてきた。最後に調整を行ったのは 2009年末だ。インターネットの世界の基準からすれば青銅器時代とでも言っていいほど昔のことだね。海軍仕様巡洋艦なんて更にずっと前で、恐竜時代の遺物と化したまま隕石に潰されて果てるのを待っているようなありさまだ。
そこでティアリサイドの完遂が近づいてきたこともあり、Odyssey のリリースでは海軍仕様船にも同様に手を加えることにした。
海軍仕様フリゲート (Navy Frigates)
このグループは大型船に比べると変更はやや緩やかだ。
- 帝国海軍仕様スライサー : 基本的な役割はそのままで、CPU に余裕を持たせたのが大きな違いだ。キャパシタと最大射程距離を増やし、その他細かい調整をいろいろと。
- カルダリ海軍仕様フックビル : 現時点で最も使われている海軍仕様フリゲートだね。推進力を低下させたけど HP はやや増強して補った。その他細かい調整がいろいろ。
- 連邦海軍仕様コメット : 細かい強化を受ける。HP、CPU、キャパシタを増やした。
- 共和国海軍仕様ファイアテイル : 今回の調整で一番変わるのがこの船だ。ダメージボーナスは 20% から 25% に変更となり、HP、フィッティング、キャパシタが改善される。
詳しくはこちら。(※本ブログではこちら)
海軍仕様巡洋艦 (Navy Cruisers)
前述のとおり海軍仕様巡洋艦は Dominion 拡張以来放置されており、多くのものが大幅な改良を必要としていた。海軍仕様巡洋艦は性能にかなりの開きがあった。極めて優秀なスタッバー艦隊仕様から実質的に存在意義がなかった旧 "tier 1" 海軍仕様巡洋艦 (オーゴロー海軍仕様、オスプレイ海軍仕様、イクセキュラー海軍仕様、サイス艦隊仕様) まで。tech 1 版でも行ったように tier 間に存在していた性能差は取り除く。ただ注意して欲しいのは旧 "tier 1" 海軍仕様巡洋艦を新たに、「支援型」海軍仕様艦にするつもりではないということ。戦闘艦のままでいたほうがずっと役に立つはずだ。
- オーゴロー海軍仕様 : この船は巡洋艦レベルごとの 10% のアーマー HP 上昇が特徴的な船だけど、それ以外にこれといった特徴がないためベイト (※おとり) 用の船としか使われてこなかった。この HP ボーナスはそのままだけど、レーザーのキャパシタ消費量ボーナスは取り除き、タレットを 3つにしたうえで巡洋艦レベルごとにレーザータレットのダメージに 25% の大ボーナスを与えることにした。十分なダメージにたっぷりとしたバッファタンク (※レジスタンスよりも HP 総量中心に防御を固めること、肉盾)、さらにユーティリティーハイ (※武器以外に使うハイの便利スロット) を 2つ使える船となった。
- オーメン海軍仕様 : ノーマルオーメンの「攻撃 (Attack)」系の役割をさらに発展させ、HP とタレット数が減るかわりに大幅なスピードアップとあらたにレーザー兵器の最適射程距離 (optimal) ボーナスを得ることになった。タレットで与えるダメージはノーマルオーメンと比べると少ないけど、ダメージの実効性はこちらのほうが優れているし、機動力が上がったことで戦闘の支配権を握りやすくなった。
- オスプレイ海軍仕様 : カラカルのもつ「攻撃」系の役割を、スピードとキネティックダメージボーナスを引き上げることでさらに推し進めた。ユーティリティーハイの追加、ロースロットの追加、そしてこれが一番大きいけど 6つ目のミディアムスロットを得ることでオスプレイ海軍仕様はきわめて柔軟性の高い船となった。がっつりとシールドタンクを固めることもできるし、推進力とミディアムスロットを活かして電子戦系のモジュールを活用することもできる。
- カラカル海軍仕様 : ノーマルなカラカルの重量版として生まれ変わった。カイティング (※kiting 引き撃ち) よりはブローリング (※brawling 撃ち合い) に向いた船となった。ノーマルカラカルとの差別化として得ていた 6つ目のランチャーはそのままだ。ミサイルのダメージと速度へのボーナスは、5% の発射頻度 (※実際は発射間隔) ボーナスと 5% のミサイルの爆発半径ボーナスに変更した。これにより小さな標的に対してのダメージのとおりは極めて高くなる。
- イクセキュラー海軍仕様 : 「ガラスの砲台」の最高峰。ハイブリッド兵器へのダブルボーナスはそのままに、さらにタレットが追加となったことにより、近接レンジでのダメージをかつてなかったレベルで与えることができるようになった。早いしハードヒッターだ。ただしソーラックスの持つ追跡速度 (tracking) へのボーナスはこの船は持っていないため、小さくて早い相手には苦労することになる。
- ベクサー海軍仕様 : 純粋なドローン艦として生まれ変わった。ハイブリッド兵器のダメージボーナスとタレットを 3つ取り除き、その代わりドローンへの 5% の速度ボーナスと同じくドローンへの 5% 追跡速度 (tracking) ボーナスを与えた。125m3 のドローン帯域幅に 200m3 のドローンベイ容量も得たことで、ヘビードローン 5機を使いさらにミディアムやライトドローンのスペアも積んでおくことができる。近接レンジでヘビードローンを用いた戦術でも、遠距離でドローンの追跡速度に重点をおいたフィッティングでのセントリードローンを用いた戦術でも、いずれも非常に強い船になると考えている。
- サイス艦隊仕様 : ミンマター伝統のスプリットウェポンシステムをこの船で復活させてみたい。二つの武器系統の同時使用を無理強いするのではなく、どちらも使い物になる 2種類の武器から好きな方を選ぶことができるようになっている。
ランチャー 5 つにタレット 5 つ(※原文が間違っていたようです) ランチャー 4 つにタレット 4 つという仕様に生まれ変わり、プロジェクタイルタレットへの 10% 発射頻度ボーナスと、ミサイルへの 10% のダメージボーナスを得る。通常の 2倍の値のボーナスを与えられていることから、この船には実質ボーナスが 4種あり、そのうち 2つを同時に使うことができる形なのだと言える。これにより相手は実際にグリッドでこの船を見るまではどちらの武器を積んでいるか予想することができず、心理的な面でも非常に効果的な船となる。 - スタッバー艦隊仕様 : 現時点での海軍仕様巡洋艦の金字塔だ。優秀な船だし変更点は少ない。一番影響が大きいのは質量が増量されたことで、これにより敏捷性とスピードが若干削られた。
詳しくはこちら。(※本ブログではこちら)
海軍仕様巡洋戦艦 (Navy Battlecruisers)
最後にあま~いデザートとして、「戦闘系」巡洋戦艦 (Combat Battlecruiser) の海軍仕様版を実装を発表したいと思う。海軍仕様巡洋艦と海軍仕様戦艦の間に空いた隙間がこれで埋まる。具体的にはハービンジャー海軍仕様、ドレイク海軍仕様、ブルティックス海軍仕様、ハリケーン艦隊仕様だ。(※和名は訳者が勝手につけたものですので実際は別な名前となるかもしれません)
- ハービンジャー海軍仕様 : この船が切望していた 5つ目のミディアムスロットを与え、中型レーザーのキャパシタ消費量ボーナスを 7.5% の追跡速度ボーナスに変更した。ただしノーマル版に比べてドローンベイ容量はわずかに削った。
- アマー巡洋戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- 中型エネルギータレットのダメージに 10% のボーナス
- 中型エネルギータレットの追跡速度に 7.5% のボーナス
- スロットレイアウト : 7 H, 5 M, 6 L, 6 タレット, 0 ランチャー
- フィッティング: 1495 パワーグリッド, 410 CPU
- 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 4500 / 7500 / 6750
- キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 3125 / 822 s / 3.8
- 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間) : 150 / 0.69 / 13800000 / 13.2 s
- ドローン (帯域幅 / 収容量) : 50 / 50
- ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数) : 55km / 210 / 6
- センサー強度 : 21 電波
- シグネチャ半径 : 270
- ドレイク海軍仕様 : 我らが Victor 氏に倣ってドレンケンシュタインを創りあげてしまうことを潔しとぜず、すでに良好な火力と防御力を持つノーマルドレイクとは方向性を変えて、海軍仕様版は柔軟性の高さに重点をおいた。10% のミサイル速度ボーナス、5% のミサイルの爆発半径ボーナス、ランチャーが 8つ、さらにノーマル版に比べて機動力を高めた。
- カルダリ巡洋戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- ヘビーおよびヘビーアサルトミサイルの速度に 10% のボーナス
- ヘビーおよびヘビーアサルトミサイルの爆発半径に 5% のボーナス
- スロットレイアウト : 8 H, 6 M, 4 L, 0 タレット, 8 ランチャー
- フィッティング: 900 パワーグリッド, 550 CPU
- 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) :7875 / 4875 / 5625
- キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 2500 / 658 s / 3.8
- 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間) : 150 / 0.64 / 13329000 / 11.8 s
- ドローン (帯域幅 / 収容量) : 25 / 25
- ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数) : 60km / 195 / 8
- センサー強度 : 23 重力
- シグネチャ半径 : 295
- ブルティックス海軍仕様 : ノーマル版の進化形だ。アーマーリペアラーの回復量へのボーナスは、中型ハイブリッドタレットへの 7.5% の追跡速度ボーナスに入れ替えた。ロースロットが追加され、機動力も若干だけど高めた。
- ガレンテ巡洋戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- 中型ハイブリッドタレットのダメージに 10% のボーナス
- 中型ハイブリッドタレットの追跡速度に 7.5% のボーナス
- スロットレイアウト : 7 H, 4 M, 7 L, 6 タレット, 0 ランチャー
- フィッティング: 1235 パワーグリッド, 455 CPU
- 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 5250 / 6750 / 7125
- キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 3000 / 789 s / 3.8
- 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間) : 155 / 0.704 / 11875000 / 11.6 s
- ドローン (帯域幅 / 収容量) : 50 / 50
- ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数) : 55km / 200 / 7
- センサー強度 : 22 磁力
- シグネチャ半径 : 305
- ハリケーン艦隊仕様 : ノーマル版のハイスロットを 8つにし、ユーティリティースロットが 2つとなる。さらに機動力とフィッティングを若干高めた。基本的な方向性はノーマル版と一緒だ。どうも見覚えがあるような気がするんだけど、なんでだろうな・・・きっと僕の勘違いだね。
- ミンマター巡洋戦艦レベル上昇ごとのボーナス :
- 中型プロジェクタイルタレットのダメージに 5% のボーナス
- 中型プロジェクタイルタレットの発射間隔に 5% のボーナス
- スロットレイアウト : 8 H, 4 M, 6 L, 6 タレット, 3 ランチャー
- フィッティング: 1350 パワーグリッド, 420 CPU
- 防衛 (シールド / アーマー / ストラクチャ) : 6375 / 6750 / 5250
- キャパシタ (容量 / リチャージ時間 / キャパシタ回復量/秒) : 2250 / 592 s / 3.8
- 推進力 (最高速度 / 慣性修正乗数 / 質量 / 軸合わせ時間) : 165 / 0.704 / 12500000 / 12.2 s
- ドローン (帯域幅 / 収容量) : 30 / 30
- ターゲティング (最大ターゲット範囲 / スキャン分解能 / 最大照準設定数) : 50km / 220 / 6
- センサー強度 : 20 光学
- シグネチャ半径 : 250
これら新型海軍仕様巡洋戦艦は以下で入手可能だ。
- ノーマル NPC コープ LP ストア、 BPC (1回): 200,000 LP + 100m ISK
- ノーマル NPC コープ LP ストア、完成品 : 250,000 LP + tech 1 巡洋戦艦完成品 + クルーザーサイズネクサスチップ 2つ
- FW LP ストア、BPC (1回): 100,000 LP + 10m ISK
- FW LP ストア、完成品 : 100,000 + tech 1 巡洋戦艦完成品 + クルーザーサイズネクサスチップ 2つ
詳細はフォーラムの Features & Ideas Discussion セクションに出来る限り早めにあげるつもりだ。
海軍仕様戦艦 (Navy Battleships)
ティアリサイドの嵐がさまざまなカテゴリの船を吹き抜け、現在は tech 1 戦艦の番となっている。まだ詳細は固まっていないけど、Odyssey にて生まれ変わった t1 戦艦が実装される予定なのでフォーラムのしかるべくセクションに注目していてほしい。
脱線する前にこのブログのテーマ、海軍仕様船にもどろう。海軍仕様戦艦も近い将来手が入る予定だ。もし Odyssey に間に合わなければ Odyssey からそれほど間を空けないうちにね。ただ本決まりにはなっていないので、状況次第では変更もありえる。その点は注意してほしい。
今日はここまでだけど満足してもらえただろうか。まだ物足りないようならファンフェストで行う艦船調整のプレゼンテーションにも注目していてほしい。間違いなく満腹になってもらえると思うよ。』
(DEV BLOG: [Odyssey] 海軍仕様船の調整 + 海軍仕様 BC 実装 - 02 へ)
(※関連記事 ('13/05/14): [Odyssey] 海軍仕様戦艦 (Navy BS) への調整)
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