[Rubicon 1.0] マローダー (襲撃型戦艦) の調整 - 06

([Rubicon 1.0] マローダー (襲撃型戦艦) の調整 - 05 からの続き)

公式フォーラム : 開発者スレッド 『マローダーの調整 ([Winter] Marauder rebalancing)』 #5732 より

(2013.10.16 12:28 by CCP Ytterbium)


さて、約束どおり船体性能に関して調整案に若干変更を加えたいと思う。

  • パラディンのキャパシタ容量を 8000 から 7500 に減らした。
  • ドローンベイ容量 : パラディンとゴーレムのものを 75m3 に戻し、クロノスで 125m3、ヴァーガーで 75m3 とした。
  • 最高速度 : パラディンとゴーレムで 100m/s、クロノスで 105、ヴァーガーで 110 とした。
  • 質量 : パラディンで 92,245,000 kg、ゴーレムで 94,335,000 kg、クロノスで 93,480,000 kg、ヴァーガーで 96,520,000 kg とした。
  • シールド HP : パラディンで 6300 から 6900 へ、ゴーレムで 8000 から 8800 へ、クロノスで 6600 から 7300 へ、ヴァーガーで 7500 から 8300 へ。
  • アーマー HP : パラディンで  8000 から 8800 へ、ゴーレムで 6100 から 6700 へ、クロノスで 7200 から 7900 へ、ヴァーガーで 6600 から 7300 へ。
  • ストラクチャ HP : パラディンで 7700 から 8500 へ、ゴーレムで 7000 から 7700 へ、クロノスで 8600 から 9500 へ、ヴァーガーで 6300 から 6900 へ。

なぜ強化を?

こちらで述べたとおり、また、みんなからのフィードバックを得て、第 1 案で船体を弱体化しすぎてしまっていたことに気づいたからだ。『バスティオンモードがあるから』 ということでね。

ドローンベイ容量はもとに戻すのに、どうして帯域幅は弱体化されたままなの?

最大の理由は、これらの船で大型ドローン、とくにセントリードローンを用いて戦ってもらうことを想定していないからだ。主力タレット・ランチャーとバスティオンモードを組み合わせて攻撃し、MJD を用いて戦場を飛び回る、といった戦い方が僕らの狙いだ。帯域幅が狭いことからもわかるように、これらの船ではドローンを補助的なものとしか見ていない。とはいえ、ドローンの入れ替え要員を抱えておけるようドローンベイ容量を大きめにし、多少の柔軟性をもたせることは問題ないと思っている。

どうしてウェビファイヤーボーナスを取り除くの?

第 2 案を内部でテストしてみて気づいたのは、MJD で飛び回り、バスティオンモードによる長距離射程を活かして戦う船と、ウェビファイヤーボーナスとはあまりうまくかみ合わないということだった。ウェビファイヤーボーナスを与えたときに、ビンディケイターのような船とかぶらないよう、効果の強さをレベルごとに 10% ではなく 7.5% の上昇に緩めたわけだけど、そもそもそのようなことをしなければいけなかったということが、海賊製 BS の領域を侵しはじめてしまっているというサインだったんだ。マローダーの役割は、その海賊製姉妹機と同じニッチをカバーすることではないので、ウェブボーナスは取り除き、第 1 案に戻そうということになった。近距離オービットしている NPC フリゲートをこれらの船で撃ち落とそうというのも、あまりいいアイデアとは言えない。無理にそんなことをしようとせず、MJD で距離をとって、相手が近づいてくるあいだに狙撃すればいいんだ。近距離の敵を攻撃したいのであれば、ビンディケイターの方がはるかに適している。ブラスター向けに調整された船だからね。

なぜ Tech 1 姉妹機と比べて最高速度が若干劣っているの?

マローダーはバスティオンモジュールを用いることで 『防御の権化』 となる。バランスを保つためには何らかのかたちでその代償を払わなければいけないわけだけど、最高速度を落とすのは埋め合わせとしていい方法だと思う。特に、MJD を用いて戦場を自在に飛び回れることを考えるとね。ただ、最初の案では少々弱体化しすぎてしまっていたので、今回少し緩和したんだ。

なぜ Tech 1 姉妹機と比べて質量が小さいの?

質量が小さくなればなるほど MWD 使用時の速度が上昇し、軸合わせの時間が短くなる。前者は最高速度が落とされた分をいくらか補ってくれる (ただし Tech 1 版ほどの機動力はない。MWD 使用時のスピードは、Tech 1 版より 10% ほど劣るはずだ)。また、バスティオンモードを抜けて、軸合わせ・ワープアウトを行う瞬間がこの船にとってひとつのウィークポイントとなるけど、その軸合わせ時間が短縮されることで危険性が低下する。軸合わせは MJD にとっても特に大事だし、この点についてはこのままいくのがよさそうだということになったんだ。

なぜ実効 HP を強化するの?

マローダーが 『防御の権化』 であるためには、Tech 1・海軍製・海賊製姉妹機に劣る HP にしてしまうべきではなかったんだ。リモートリペアフリートでマローダーが大規模運用される事態にはしたくなかったので、バスティオンモードのほかに Tech 2 レジスタンスも与えるのは避けたんだけど、総合的な生存能力を高めるためにやはりある程度の余裕は必要だと感じたんだ。具体的には、マローダーの実効 EHP は 39-41k となった。海軍製 BS (35-41k) や海賊製 BS (34-41k) よりも優れているんだ。

なぜパラディンのキャパシタ容量を弱体化するの?

この船はキャパシタボーナスをもっていることもあり、弱体化するというよりも、もとが多すぎたんだ。今回も決して大幅に減らしたわけではないけど、それでもマローダー間の全体的なバランスをとることにつながっていると思う。

なぜフィッティングを強化しなかったの?

マローダーの CPU やパワーグリッドは適切なものだと見ているよ。フィットによってはギリギリになることはわかっているけど、フル防御 + ニュートを装備したうえで、最高峰のタレット/ランチャーフルラックを楽勝で装備、なんてことができるようにはしたくなかった。あまりにも強くなりすぎてしまうだろうからね。

なぜハイスロットをひとつ、ミッドかローに移さないの?

バスティオンモジュールに使われるぶんを補うのに、ハイスロットがもうひとつ必要だと思っている。ミッドやロースロットを追加すると、強くなりすぎてしまうだろうね。

なぜバスティオンモードでダメージが強化されないの?

マローダーはダメージで競合相手を上回ることを想定した船ではない。パワークリープ (※ power creep: MMO 等において、バランス調整を各種要素の 『強化』 により行い続けることで、ゲーム内容が大味になるなど、最終的に好ましくない状態に陥ってしまうこと) をまねくことにもなるしね。マローダーは、高い防御能力、安定した攻撃性能 (電子戦に対する耐性、長射程)、そして MJD を活かした、独自の役割・ニッチをになうべきなんだ。要は、何かを得るには何かを諦めなければならない、ということ。もっとダメージ出力の高い船がほしければ、海賊・海軍製 BS があるし、そちらにはそちらの欠点があることももう十分ご承知のはず。

バスティオンモードで得られる射程距離へのボーナスは、なぜスタッキングペナルティーの対象となっているの?

射程距離を適切な範囲に抑えておきたい。例えばパラディンの場合だと、ビームを装備する意味がなくなるほどスコーチで恐ろしいほどのレンジをカバーできる。だから、今のところはスタッキングペナルティーの対象のままにしておきたい。少なくとも、Tranquility 実装後、そうすべきでないというなんらかのデータが得られるまではね。

設置式のトラクター装置が実装されるというのに、マローダーにトラクタービームボーナスをもたせておく意味があるの?

新装置とマローダーでは、トラクタービームの性能に差があるかもしれないだろう? 一度に一つずつしか引き込まないし、ビームの射程距離はマローダーよりも長いけど、引き込み速度はマローダーに劣る (トラクタービームの速度ボーナスなし)。詳細の説明は CCP Fozzie にまかせるよ。

ウェビファイヤーボーナスがなくなった今、インカージョン (※侵略) でマローダーを使う理由がないんだけど?

マローダーには他にも利点がある。内部テストで試したところでは、MJD ボーナスを活かしたカイティング (※引き撃ち) はとても効果的だった。NPC のワープスクランブラーは MJD の使用を妨害しないからね。それに防御が優れているおかげでロジスティクス (※支援型巡洋艦) による支援も必要としない。根本的には、僕らのデザイン上の目標や、この船全体としての役割に反する、特定の超特化型インカージョンフィッティングに迎合して、マローダーにウェビファイヤーボーナスをもたせておきたくない、ということなんだ。インカージョンにおいて十分に効果的な攻略法が他にも存在しているならなおさらね。

疑問に答えられているといいんだけど。もとのレス (※本ブログではこちら) にも変更点を反映しておくよ。




同スレ #5793 より

(2013.10.16 13:49 by CCP Ytterbium)


《Octoven》
Dinsdale に同意で、インカージョンのメカニクスをぜんぜんわかってないよ。開発者からこんな馬鹿げた発言を聞くなんて、今自分が悲しんでいるのか驚いているのか正直よくわからない。3500m/s で飛んでる tama をウェブなしでどうやって捕まえておくのか、そしてその際のタレットの命中率がどのくらいのものなのか、内部テストの様子をぜひ拝見したいものだね。弾を撃つよりもタレットそのものを投げつけたほうがマシなくらいじゃないかな。少なくとも撃つよりはダメージでると思うよ。ダメージ源はドローンのみというところかな。

さらに言うと、ロジスティクスの必要性についてさらっと発言していたけど、ますます馬鹿げた発言だよ。そのロジスティクスからトラッキングリンク支援を受けられるのだということはもちろんおわかりだよね? まあバスティオンモードとやらのおかげでこれも受けられないわけだけど。思いこみで発言する前に、プレイヤーからのフィードバックを聞いて、自分の発言内容を再検討したほうがいいんじゃない?

最後に反論させてもらう。少数の特定グループ (インカージョンランナー) が、マローダーをインカージョン特化船に変えてしまうことのないよう、そういったグループに迎合しない、とのことだけど、それは結局迎合先がほかのなにかに向いているだけのことなのであって、僕としてはこういった発言は不愉快だよ。本来、開発者たるものゲームメカニクスをもっと理解しているべきだし、プレイヤーベースに対してもっと敬意をはらうべきなのでは?

プレイヤーからのフィードバックに耳を傾けているからこそ、船体への弱体化を取り消したり、このスレッドに目をとおしたり、他の開発者とマローダーについて何時間も検討を重ねたりしているんだ。プレイヤー一人一人の意見はもちろん尊重しているけど、稼働中の MMO において、バランス調整をすることによってコミュニティーメンバー全員を満足させるのは無理なんだ。残念だけど、こればっかりは事実として受けとめないといけない。

さて、先述の内容について僕らの言ったことが 100% 実現するなんてことを言いたいわけじゃない。内部で試した結果、マローダーによるインカージョンの攻略方法は他にもあることがわかった、と言いたかっただけだ。リリース時に僕らが述べたような攻略法がまったく採られないようであれば、自分らが間違っていたとはっきり認めるつもりは十分にあるよ。今までだって間違いを犯してきたことを忘れたわけじゃない

もし前の投稿内容が、インカージョンコミュニティーに対して礼を欠いていると受け取り得るものであったのなら、申し訳なかったと思うし、書きかえたいとも思う。ただ、インカージョンを念頭において船にさらに変更を加えるのは、実際に現場でどのようなパフォーマンスを発揮できるのか、データをもっと得てからになるだろうね。




同スレ #5830 より

(2013.10.16 14:38 by CCP Ytterbium)


《Harvey James》
それと、ゴーレムの TP (※ターゲットペインター) ボーナスを、爆発半径ボーナスに変更しようと考えたことはある?

そうそう、前の投稿で取り上げるのを忘れていたよ :D

それは検討済みで、以下のような点が判断基準となった。

TP ボーナス
  • + モジュールを複数装備することができるため、潜在的には爆発半径ボーナスよりも高い恩恵を得られる。バスティオンモジュールのおかげでミッドスロットに空きができることもあり、この点は特に有用。
  • + TP はそのターゲットを攻撃している全員に恩恵がある。
  • ー ミッドスロットが必要。

爆発半径ボーナス
  • + ミッドスロットを消費しない。
  • + TP の効果は TP 照射の有無に左右されるが、爆発半径ボーナスの効果は常時適用される。
  • ー 固定であり、そのものとして強化することはできない。
  • ー 恩恵を得られるのは本人のみ。

いまのところ TP ボーナスのほうが良いと考えているけど、議論の余地はあると思う。ゴーレム以外のマローダーは、もう何か特定のモジュールに頼るということもなくなったし (ウェビファイヤーボーナスもナシになった)、TP ボーナスを取り除いたとしても理にかなってはいるね。

([Rubicon 1.0] マローダー (襲撃型戦艦) の調整 - 07 に続く)

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