開発者ブログ : モバイルストラクチャーで快適生活

開発者ブログ 『モバイルストラクチャーで快適生活 (Better Living Through Mobile Structures) 』

(2013.11.13 17:29 by CCP Fozzie)


みなさんこんにちは。EVE Online: Rubicon (11月 19日リリース) で実装されるアツいフィーチャーをもうひとつご紹介。

Rubicon のテーマは 『コントロール』。従来の非人間的な NPC システムによるそれを、プレイヤーの手に引き渡すんだ。また、Rubicon は今後の中期的なプランにおける最初のステップともなる。このプランで僕らがどのようなゴールを設定しているのか、まだご存じでないようであれば EVE Online のシニアプロデューサー CCP Seagull によるこちらのアップデート (※英語 ; 日本語版はこちら) をぜひ読んでほしい。一日二日で実現できるような話ではないけど、Rubicon は色々な点で重要な第一歩となる。

宇宙への入植活動や、『コントロール』 をプレイヤーの手にシフトさせることがプランの中心となっているけど、これを実現させる上で重要な要素となるのが、いま取り組んでいる宇宙空間に建造できる構造物だ。将来的な宇宙空間構造物の土台となる、宇宙空間オブジェクトフレームワークを準備するべく、ここ数ヶ月の間開発チーム "Five O" と "Superfriends" ではかなりの労力をかけてきた。このフレームワークができたことで将来的にさまざまな可能性が開けたし、モバイルストラクチャー (Mobile Structures) 第一弾を Rubicon で 4種類実装できることにもなった!

これらの施設はそれぞれまったく異なる機能をもっているけど、目指すところは一緒だ : 個々のプレイヤーが周囲の状況をもっとコントロールできるようにすること。それぞれの詳細に入る前に、4種の施設に共通するフィーチャーもいくつかあるので、まずそれを説明していきたい。


これらのモバイルストラクチャーは、すべて個人所有

スターベースとは違い、これらのモバイルストラクチャーはコーポレーション所有ではなく、個人所有だ。つまり設置するにあたってプレイヤーコーポに所属している必要はないし、施設の機能が適用されるのは基本的に設置した本人のみか、そうでない場合はその場にいる全員に等しく適用される。将来的には利用するにあたってコーポへの所属が必要であったり、それにより機能性が変わってくるモバイルストラクチャーを実装することも大いに考えられるけど、まずは個人向けから始めたいと思う。


モバイルストラクチャーは簡単に設置可能

従来の構造物は、それが完全に起動するまでにいくつかの段階を踏む必要があった。カーゴベイの中にある構造物を右クリックし、"for corp" もしくは "for self" を選んで設置、構造物を係留するのに再度右クリック、オンラインにするのにさらに右クリック。

今回のモバイルストラクチャーでは、そういった設置時の余分なプロセスはすべて取り去ってしまった。右クリックのほうがお好みであればそれもまだ使えるけど、ほとんどの人はカーゴベイにあるストラクチャーをクリック + ドラッグして宇宙空間に直接ドロップするほうを好むんじゃないかな?


モバイルストラクチャーが宇宙空間に射出されると、自動的に起動プロセスがはじまる。所要時間は施設によって異なるけど、どれも視認性の良い円形タイマーで残り時間を確認できるようになっている。ちなみに、起動時間はタイムダイレーション (※英語 ; 遅延) の影響を受けるので、タイムダイレーションが発動した大規模な艦隊製においてのほうが、そうでない場合と比べてこれらの施設が相対的に強力になる、といったことはないんだ。

待ち時間の満了をもって設置はおしまい、モバイルストラクチャーは君の船の横で利用されるのを待っている、というわけだ! 再利用可能なタイプであれば、ラジアルメニュー (※メニュー盤) もしくは右クリックメニューを介していつでも瞬間的に回収できるよ。


モバイルストラクチャーを攻撃しても容疑者フラグしか立たない。ハイセクにおいてさえ

モバイルストラクチャーは軽量、安価で誰でも簡単に入手できるわけだけど、そうであるからには攻撃対象としてもお手軽でなければいけない。これら 4種のモバイルストラクチャーに攻撃を加えても、そのパイロットに課されるペナルティーは最も重いものでクライムウォッチ (※英語 ; 当ブログではこちら) の容疑者フラグどまりだ。容疑者フラグが立ったプレイヤーは、15分の間、他の全プレイヤーにとって自由に攻撃できる対象となる。これらの施設を攻撃しても攻撃したプレイヤーが CONCORD による制裁を受けることはないし、そのプレイヤーのセキュリティーステータスが下がることもない。つまり、モバイルストラクチャーはプレイヤー自身で能動的に守るか、そもそも攻撃を受けないよう人通りのないところに設置する必要があるということだ。ただし、モバイルディポについては特別版のリインフォース機能が備わっていて、ある程度アクティブなプレイヤーであれば施設を生かしておけるようになっているけど、それについてはのちほど。

モバイルストラクチャーを破壊するとキルメールは常に発生するし、カーゴベイのある施設であれば戦利品がドロップする可能性もある。


共通点をカバーしたところで、4種のモバイルストラクチャーそれぞれをもう少し詳しく見ていこう!


モバイルディポ (Mobile Depot) (※デポとも)


Rubicon で追加されるモバイルストラクチャーの中でも、モバイルディポが最も基本的な施設となる。シンプルな拠点として活用してもらうのがこの施設の目的で、宇宙空間のどこにでも設置でき、アイテムの保管や船の換装をこれでしてもらえる。ディポは全モバイルストラクチャーの中で最も安価なものとなり、材料費は 100万 ISK をゆうに下回る。設置には 1分を要し、スキル要件は特にない。また、カーゴベイの中での体積は 50m3 しかないので、ほとんどの船で持ち運べる。

いったん設置されると 3000-4000m3 ほどの保管スペースとフィッティングサービスを利用できるようになるけど、どちらも利用できるのは施設の所有者のみだ。この施設はスターゲート、ステーション、スターベースに近すぎる場合を除いて、ほぼどこにでも設置できる。ディポについては、他のディポ (種類は問わない) の近くに設置することもできない。なお、他の新施設についても、同グループの施設の近くに設置できないのは同様で、境界となる距離についてはそれぞれの施設によって異なる。

実効ヒットポイントは 17,500 しかないとはいえ、リインフォースタイマーの恩恵を受けられるのは、今回の 4種のモバイルストラクチャーのなかでモバイルディポだけだ。でもこのリインフォースタイマーは他の構造物でのものとは若干仕様が異なっている。攻撃を受けてシールドが 25% にまで落ちると、ディポは 48時間の 「無敵」 リインフォースモードに入る。48時間後、リインフォースモードから通常の状態に戻る際にシールドは 0% となっているけど、シールドのヒットポイントは自然に回復していく。シールドが 25% 未満にとどまっているかぎりは、そのディポはそれ以上リインフォースモードに入ることなく、アーマーそしてストラクチャと削っていくことができる。シールドが 25% 以上にまで達した場合、ディポは再びリインフォースモードに入れるようになる。ディポの所有者はリインフォースに入ったディポをいつでもカーゴに回収することができ、それにより攻撃からディポを守り、移動させることができる、というのが今回のミソだ。ディポを回収すると、内容物はまずはコンテナに排出されるようになっている (これはリインフォースモードに入っているいないに関わらない)。

モバイルディポを気に入ってくれたなら、Rubicon で実装する 2種類のアップグレード版についても喜んでもらえると思う。'Wetu' モバイルディポと 'Yurt' モバイルディポを作るためのブループリントは、どちらも新しく実装されるゴーストサイト (※英語 ; 日本語版はこちら) でしか手に入らない。これらはカーゴ容量がもっと大きくて、プロービングで見つけ出すのも通常版より難しいんだ。

Rubicon 以降、モバイルディポは日常的に見かけるようになると見込んでいるし、マメなみんなのことだから、宇宙空間での換装をさまざまな方法でクリエイティブに活用してくれるものと思っているよ。

君ならどう活用する?


モバイルトラクターユニット (Mobile Tractor Unit)



モバイルトラクターはシンプルな装置ではあるとはいえ、多数のプレイヤーに大きな影響を与えることになる。この装置は設置されると内蔵のトラクタービームを使って 125km 以内にある残骸やコンテナを引き寄せ、27,000m3 もある巨大なカーゴに内容物を回収する。

トラクターユニットの設置には 10秒しかかからないし、カーゴに入れた場合の体積は 100m3 だ。ディポと同様、スターゲート、ステーション、スターベースから離れていさえすればどこにでも設置できる。つまり、ミッション地 (NPC はこの施設を撃たない)、アステロイドベルト、果ては i-hub (※領域管理用拠点) での大規模艦隊戦現場にさえ設置できるんだ。モバイルディポと同様、中にものが入っているトラクターユニットを回収すると内容物は一時的なコンテナに移されて宇宙空間に射出されるので、そこから必要に応じてものを回収できる。

トラクターユニットのヒットポイントは 50,000 で、破壊されれば戦利品を落とす可能性はしっかりあるので、使用時には用心したほうがいいだろうね。トラクタービームの牽引速度だけど、トラクターユニットのものは、友だちが乗ったノクティスやオルカのものよりも遅く設定してあるので、友だちのノクティスが現場にくる意義もちゃんとあるよ。ただのおしゃべり相手としてではなくね。

みんながトラクターユニットをどのように活用していってくれるのか見るのを楽しみにしているよ。PvE にであれ、PvP にであれ、『残骸アート』 にであれね (使おうと思っているのはお見通しだよ)。


モバイルサイノシュラルインヒビター (Mobile Cynosural Inhibitor)


この使い捨てモバイルサイノシュラルインヒビターの意義は、ローセクに済んでいるパイロットにとっては明らかだよね。設置されると、この施設の周囲 100km 以内では通常のサイノシュラルフィールドを起動できなくなる (コバートサイノ ※潜伏用サイノ を除く)。これによってプレイヤーはホットドロップ (※英語) から身を守ることができ、対戦相手によるキャピタル船投入をコントロールでき、ローおよびナルセクにおける戦闘の態様にこれまでになかったようなやり方で影響を与えられるようになる。

モバイルサイノシュラルインヒビターの起動には 2分かかり、宇宙空間に 1時間とどまる。ここまでの 2つの施設と異なり、サイノシュラルインヒビターは使い捨てで、カーゴに回収することはできない。いったん設置されると、1時間経過するか、攻撃によって破壊されるかまでのあいだそこに残る。

サイノシュラルインヒビターは、小~中規模のフリートにとって最も使いやすくなるよう設計してある。160,000 の実効ヒットポイントの大部分はシールドやアーマーではなく、ストラクチャに配分してあるので、強大な火力にさらされたこの施設を、ロジスティクス (※支援型巡洋艦) やキャピタル船の大船団でもって生きながらえさせる、といったことはできない。また、サイノシュラルインヒビターはその効果範囲が他の同一種モジュールと重なってしまうような場所には配置できない。

ここまで紹介した施設とは異なり、モバイルサイノシュラルインヒビターは設置するのに一定のキャラクタースキルが必要となる。Rubicon 以降、ぜひともサイノ妨害を活用したいと考えているなら、初日から活用できるよう、係留 (※Anchoring) スキルをレベル 3 まで上げておいたほうがいいだろうね。


モバイルサイフォンユニット (Mobile Siphon Unit)



窃盗、欺瞞、裏切りの余地なくして EVE Online のフィーチャーは成り立たないし、モバイルストラクチャーとてその例外にあらず。このモバイルサイフォンユニットを敵性スターベースの近くにこっそりと設置することで、スターベースのサイロに向かう月資源やリアクションの成果を密かに抜き取ることができる。サイフォンが設置されてもスターベースの所有者に通知がいくことはないし、スターベースの武器が自動的にサイフォンを攻撃することもない。つまり、スターベースの所有者はそれを守るにあたって、能動的に領地内を巡回しなければいけないということだ。

サイフォンユニットはサイノシュラルインヒビター同様の使い捨てアイテムで、設置するにあたって係留スキルが必要だ。また、サイフォンユニットの保管スペースは独特の仕様となっていて、誰でもアクセスできる。つまり、サイフォンの設置者本人でさえ安心してはいられないということ。

サイフォンユニットに関しては CCP SoniClover が個別の開発者ブログを発表しているので、詳しくはそちら (※英語 ; 当ブログではこちら) をどうぞ。


今後の展望

気がついた人もいるかもしれないけど、僕はこれらのモバイルストラクチャーを 『第一弾』 と呼んだ。それもそのはずで、今回実装される施設は、モバイルストラクチャーコンセプトおよび、新しく導入したスペースオブジェクトコードベースを活用した開発のさきがけとなるものだからなんだ。開発チーム "Five O" はすでに Rubicon 1.1 に向けて、新たなモバイルストラクチャー群の開発に力を注いでいるし、既存のアイテム (移動式ワープ妨害機 (※ Mobile Warp Disruptor) など) を一部今回の新システムの枠組みへ転換したり、新型施設の機能をどのような方向で拡大していけるかをいろいろと検討したりしている。

僕らは CSM にも協力してもらい、この夏いっぱいかけて将来的に実装し得るモバイルストラクチャーのブレインストーミングを行い、長大なリストを作成した。このブレインストーミングによって良いアイデアが出たけど、今度はみんなにも協力してもらいたい。

フォーラムの Features and Ideas セクションに新たにスレッド (※英語) を立てたんだけど、今後どのようなモバイルストラクチャーがほしいかをここに提案していってほしい。すでに既存のリストにもとづいて、こういった施設のロードマップを作り始めているんだけど、スレッドからの選りすぐりのアイデアをリストにつけ加えることでロードマップ作成の助けとしたい。ただ、覚えておいてほしいのは、アイデアによって実現可能性に違いがあるということ。みんなの想像力を制限してしまいたくはないけどね。だから、アイデアがたとえどれほど優れていたとしても、そしてそれにどれほどたくさんの支持が集まったとしても、スレッドに寄せてもらったアイデアすべてを実装できるわけではないことはあらかじめ承知しておいてほしい。


今すぐお試しを!

これら 4種の施設はどれも Singularity テストサーバーに実装済みだ。これまでのあいだ各施設をテストしてくれたみんなにはここであらためてお礼を言いたい。テストサーバーのフィードバックにもとづいて、さっそく操作性の修正を行わせてもらったからね。未来の EVE の姿をのぞいてみたいなら、こちらのページの情報 (※英語) を参考にテストサーバー用クライアントをセットアップしてみてね!

僕はテストサーバーフォーラムに寄せられるフィードバック (※英語) に、一日に何度も目を通しているので、テストしてみた感想を僕らに伝えるならそこに寄せてもらうのが一番だ。

あと一週間足らず、11月 19日の EVE Online: Rubicon にて、モバイルストラクチャー第一弾 4種が実装される。プレイヤーのみんなは創造力を発揮して、僕らがびっくりするような活用法を見いだしてくれるんだろうね。開発チーム "Five O"、"Superfriends" ともども本当に楽しみにしているんだ。今回のモバイルストラクチャーにより EVE に変化がもたらされるわけだけど、Rubicon 以降の EVE に劇的に良い影響を与えてくれる変化であると僕らは信じているよ。

ありがとう、そして 11月 14日のライブストリーム、ゲーム内、そしてフォーラムでまた会おう!

-CCP Fozzie

(開発者ブログ : モバイルストラクチャーで快適生活 - 02 に続く)

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