このトリックは、おもにローセクの、つまりバブル (範囲型ワープ妨害フィールド) のないゲートキャンプをやりすごすための技です。
隠密行動型フリゲート (Covert Ops) など、隠密行動用遮蔽装置II (Covert Ops Cloaking Device II) を使用できる船であればクローク (遮蔽) したままワープできますので、ゲートキャンプに遭遇しても
- ワープを起動
- クロークを起動
『クローク + MWD トリック』 は、そんな船でもクロークモジュールを一定の手順で活用することで、ゲートキャンプ遭遇時の生存率を大幅に向上させることができる技です。
必要なモジュール
- 改良型遮蔽装置II (Improved Cloaking Device II): 敏捷性の高い船であればプロトタイプ遮蔽装置I (Prototype Cloaking Device I) でも実行可能ですが、リスクは上昇します
- MWD: 船のサイズに合ったもの。アフターバーナーは不可
手順
星系にジャンプインし、ゲートクロークがかかっている状態からスタートです。なおゲートクロークの持続時間は 60秒ですので、ジャンプインしてから 60秒以内に行動を開始する必要があります。
- ワープ目標物を選択し、アライン (軸合わせ) ボタンを押します (この時点でゲートクロークが切れます)
- 0.8 秒待ちます
- 改良型遮蔽装置II を起動します
- 0.8 秒待ちます
- MWD を起動します
- MWD のサイクルが終わるのを待ちます (クローク中ですので、1 サイクル回りきった時点で自動的に切れます)
- MWD が切れると同時に (または切れる直前ぐらいに) 改良型遮蔽装置II を停止してクロークを解除します
- 間髪入れずに目標物に向けてワープボタンを連打します
- スムーズにいっていれば、即ワープに入るはずです
各待ち時間について : 2. および 4. の待ち時間は目安です。どちらもできる限り短く抑えることにこしたことはありませんが、タイミングが早すぎるとクライアントが操作を受け付けてくれません。事前に練習してタイミングをつかみ、怖いお兄さん達に囲まれたストレスの高い状況でも決して操作を間違わないという自信がもてるまで、練習して十分に指になじませることをお勧めします。普段ハイセクでしか生活していないプレイヤーの場合、オーバービューが赤や黄色の点滅で埋め尽くされている状態 (ゲートキャンプ) に遭遇しただけでパニックに陥ってしまうことも珍しくありません。
モジュール起動の順番 : 「MWD を起動してからクロークではないのか?」 との疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。もちろん MWD → クロークという手順でも可能です。ただ MWD を先に起動してしまうと、クロークが起動するまでの一瞬ではありますが、 MWD 起動の副作用により自船のシグネチャ半径が膨張してしまうことで、ロックされる危険性が高まります。ロックされてしまうともうクロークを起動することはできませんので、慎重を期すのであれば上記の 「クローク → MWD」 という手順をお勧めします。
本来クロークは、それを使用中はその他のモジュールを起動できないはずなのですが、クロークを起動した直後 (約 1秒以内) であれば、サーバーの受付周期 (1秒 = 1ヘルツ) の仕様により問題なく MWD を起動できてしまう点がポイントです (なお、そもそもその受付周期の仕様から、どちらの順番でモジュールを起動しても危険度に差はでない、という説もあります)。
注意点
この技は万能ではありません (なお、以下は隠密行動型フリゲート等であってもあてはまります)。
- はがし屋 : 加速途中で、「はがし屋」 (主に高速フリゲート。ドローンに自船をオービットさせ、クロークした船がいると思われるあたりに突っ込みクローク剥がしを試みます) にクロークを剥がされてしまう可能性は常にあります。船体モデルが大きい船ほど危険度は高いようです。クロークを剥がされてしまったらもう諦めるしかありません。
- 周到なゲートキャンプ : 自船の 2000m 以内に何らかの物体があるとクロークを起動することが原則としてできなくなります。クロークの使用を封じるためにゲートの周囲 12~13km 上にコンテナ等を大量にばらまいてある周到なゲートキャンプに遭遇してしまった場合は、覚悟する必要があるかもしれません。(余談になりますが、ゲートキャンパーによりグリッド上に大量のオブジェクトが設置されている状態を見かけたら、『大量のオブジェクトにより意図的にラグを引き起こそうとしている』 としてそれを GM に通報すると、設置者の意図を確認することなく GM がグリッドを掃除してくれるそうです)
- バブル : バブルの中ではワープを起動できませんので、0.0 のゲートキャンプをこの技だけでやり過ごすことはできません。
- ラグ (通信遅延) に由来する誤操作 : モジュールの起動状態が、ラグのせいでアイコンに正しく反映されないことがあります。『クロークを起動したのに反応がない、もう一度ボタンを押してみよう』 → 最初に無反応だったのはラグによる表示の遅れであり、ボタンを 2度押したことで実際にはクロークを自ら切ってしまっていた、という恐ろしいパターンです。
仕組み
私自身たいしてわかっていないなりにではありますが、説明してみます。
船がワープを実行するための条件の確認ですが、
- 目標物に向けて 5°前後以内の誤差でアラインしており、
- 船の速度が HUD ゲージの 75% 以上に達している
アライン : 2つの条件のうち、アラインするだけであれば、どんな船でもクロークしているあいだに問題なく行うことができます。しかしクロークをしているあいだは、クロークモジュールのペナルティによりその船の最高速度が 1/4 (改良型遮蔽装置II の場合で) または 1/10 (プロトタイプ遮蔽装置I の場合) に落とされてしまうのが難点です。クロークを解いていざワープに入ろうとしても、そこから速度がゲージの 75% にまで達するにはなお相当な時間がかかり、この加速期間中にゲートキャンパーに捕まってしまいます。
MWDによる加速 : そこで MWD の登場です。MWD は最高速度を大幅に (モジュールの性能としては +500% で 6倍ですが、最終的な値はアクセラレーションコントロール (Acceleration Control) スキルや、「船の質量と MWD の推進力の比」 による修正を受けます) 引き上げてくれますので、クローク下で最高速度が 1/4 となるペナルティ (「改良型」 モジュールの場合) を課されていても、1サイクル稼働するあいだに本来の速度の 75% 以上 (もしくは付近) にまで速度を持っていくことができます。このおかげで手順 7~8 でクロークを切った時点で、「アライン」 + 「75%」 の条件を満たすことにより即時ワープに入ることができるわけです。
なお 「プロトタイプ」 モジュールを使用した場合は、最高速度が 1/10 となるペナルティを課されることになり、 MWD による加速をもってしても本来の速度の 75% までは達し得ませんので、クロークを切ったあと、加速するための時間があらためて必要になります。身軽な船であればそれほど問題ありませんが、敏捷性の低い船の場合はその時間が命取りとなり得ます。
以上、英語圏のプレイヤーが呼んでいるところのいわゆる "cloak + MWD trick" のご紹介でした。
※追記 : 「アライン」 という用語についての捕捉です。本記事ではに単に 「向き (軸) を合わせる、向きが合っている」 という意味で 「アライン」 という用語を使っていますが、「向き」 + 「速度」 の二つの条件を満たした、即ワープ可能な状態となってはじめて 「アライン」 と呼ぶ場合もあります。ご注意ください。
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