EVE-J: DEV BLOG: タグでセキュリティーステータスを回復

(※公式訳がでましたのでそちらをご覧ください「売買希望：セキュリティステータスタグ」)

DEV BLOG: 【交換希望】タグをセキュリティーステータスと "WantToTrade: Tags for Security Status"

(2013.05.02 14:13 by CCP Masterplan)

『
やあ。先週のファンフェストは楽しんでもらえたかな。ファンフェストではチーム Five O が取り組んできた、オデッセイ拡張で実装予定の「タグでセキュリティーステータスを得る」フィーチャーのプレゼンをしたんだけど、このブログはその補足となるものだ。もしもその場にいたなら、もしくはライブストリームを見てくれていたのなら、これから話すことのおおよその検討はついていることだろうと思う。もし見ていないようなら (そんな人いるの？) 、まもなくローセクに何が実装されるのか、このブログで確かめてほしい。

まずスクロールが嫌いな人のために 5行でまとめたよ :

オデッセイ拡張で新たな海賊 NPC を実装する
この新 NPC はローセクのアステロイドベルトにしか出現しない
この NPC を倒すと新種のタグをドロップする
この新種の海賊タグはローセクの CONCORD ステーションに新たに設置される 'Security Office' に提出することができる
タグを提出するとそのキャラクターのセキュリティーステータスを上昇させることができる

では詳細を見ていこう

まずこのプロジェクトを始めるにあたって僕らが目標とした事項を列挙したいと思う。一部はオデッセイ拡張の最終目標そのものから導き出されたものだ。

プレイヤーが宇宙に、特にローセクに、出たくなるようなきっかけを作る。

住人やビジターがそれを求めて争えるような、ローセクに固有の何かを追加する。

既存のマーケットの枠組みを逸脱しない範囲で、セキュリティーステータスを回復するための手段を追加する。

「改心」したアウトローのプレイヤーがハイセクに戻るための新たな選択肢を提供する。NPC を撃ち続けてのろのろとセキュリティーステータスを回復させるくらいなら、ゲームそのものをやめたほうがマシだというプレイヤーさえいる。
でもサンドボックスのコンセプトは厳守する！

DUST 514 のストーリーの進行を反映する。

新たな NPC は DUST 514 のクローン傭兵をサポートすることで富や権力を得ることをたくらむ海賊勢力を表している。これを快く思わない現地の CONCORD はこの新たな脅威を抑制するために、カプセラに特別な報酬を与えることにした。

新 NPC

ローセクを根城とする 5つの海賊勢力 (Sansha、Guristas、Angels、Serpentis そして Blood Raiders) のそれぞれに 4階級の新たな NPC タイプを追加する。加わる NPC は以下のとおり。

[勢力名] Clone Soldier Trainer: 各勢力に忠誠を誓うクローン傭兵たちの軍装や配置展開時に使用される資金、備品、現地管理面などで活躍する。
[勢力名] Clone Soldier Recruiter: 遠隔地の惑星、分断された前線基地、星間入植地、その他人類の住む星など、守りの手薄な場所を探り当て、クローン兵プログラムに従事させる新たな人材の確保をたくらむ。
[勢力名] Clone Soldier Transporter: クローン兵を目的地まで速やかに送り届ける任務をおう。
[勢力名] Clone Soldier Negotiator: 海賊勢力が育てたクローン兵を雇おうというものとの契約をとりつけるフィクサー。

これらの NPC は既存の各勢力の配置状況に沿って出現するけど、出現場所はローセクのアステロイドベルトのみだ。階級ごとに強さやレア度は異なる。出現率だけど、士官 (オフィサー) やファクション NPC よりは高いけど、ベルトに普通にいるような NPC に比べると低い。それなりの強さ (ワープ妨害あり) にしてあるので戦闘を挑む際にはそのつもりで！
首尾よくこれらの NPC を見つけて倒すことができたら残骸をあさってみよう。雑多な戦利品とともに、NPC 一体につき一つのタグを必ずドロップするようになっている。

新しいタグ

タグには 4種類 (階級ごとに 1種類ずつ) あり、同じ階級の NPC は勢力を問わず同じ種類のタグをドロップする。さまざまなアイテム同様、このタグもマーケットで売ったり買ったりすることができる。
セキュリティーステータスを上げるのが目的なのであれば、まずしなければいけないのは各種タグを揃えることだ (どう手に入れるかは君の自由だ)。どの種類のタグがどれだけ必要になるかは、現在のセキュリティーステータスとそれをどこまで上げたいのかによって変わってくる。各タグはそれぞれ異なる特定の範囲のセキュリティーステータス値に対応しているので、-10 から 0 まで上げるのであればそれぞれを複数個用意する必要がある。以下の表でどのタグがどのセキュリティーステータスの範囲に対応しているのか、そして各範囲をカバーするのにタグが何個必要になるのかを確認してほしい。

セキュリティーステータスを上げるのにタグが使えるのは -10 から 0 までの範囲内のみだ。0 から上を目指すのであれば従来のやり方で取り組んでもらうことになる。
タグ一つでセキュリティーステータス 0.5 ポイント分の価値があるので、-10 から 0 までの間にタグが 20個必要だということになる。
タグによって需要に差が現れるのは想定済みだ。
各タグには手数料が設定されていて、タグの提出時に CONCORD に支払われる (この金額については調整中で、リリース前に変更になる可能性が高い)。

新たなステーションサービス

タグを調達したら当然それを提出する場所が必要になる。もちろんそれも用意したよ！カプセラに新海賊を狩らせるべく、ローセクの CONCORD と DED のステーションでは新たなステーションサービス、Security Office を開設することになった。
Security Office はローセクの 45 箇所のステーションに散りばめられている。各種ステーション施設同様、スターマップでこのサービスを提供しているステーションをハイライトすることもできる。

タグを上記のステーションに持って行き、アイテムハンガーにタグを移せば Security Office を利用することができるようになる。

スライダーを右にドラッグして希望のセキュリティーステータス上昇量を指定できる。必要なタグと ISK の表示が更新され、取引後に得られるセキュリティーステータスが君にどのような影響を与えるかについての説明もなされる (※「0.5 以上のシステムセキュリティーをもつ星系ではファクション警察に襲われる」、「他のプレイヤーは君の船およびポッドを合法的に攻撃できる」等)。それに納得し、タグと ISK を CONCORD に支払うと見返りとしてめでたくセキュリティーステータスが上昇する。

ということは、これで CONCORD へのスタンディングも「買える」ということ？

いい質問だね。それに答える前にセキュリティーと CONCORD スタンディングとの違いを説明したいと思う。
現状ではどちらの要素も EVE データベース中の単一の値によって管理されている。つまり片方に変更が加わればもう片方も必然的に変わる仕様だ。問題はこれらの値にもとづいて何か新たなフィーチャーをゲームに盛り込みたいと思っても、この仕様のせいでできることが限られてしまっているということだ。たとえば CONCORD のミッションエージェントにアクセスしようと思った場合、彼らへのアクセシビリティは君のセキュリティーステータスにもとづいて決まることになるし、ミッションを完遂することで上昇するのも君のセキュリティーステータスだということになる。逆に、罪を犯してセキュリティーステータスが低下すると一部の CONCORD エージェントへのアクセスが閉ざされたり、一部の宙域 (例えば Sanctum コンステレーション) への出入りに支障がでるようになるということでもある。
オデッセイ拡張ではこの問題に以下のように対応したいと思う。セキュリティーステータスはキャラクターごとに管理される新たなアトリビュートに生まれ変わり、スタンディングシステムからは完全に独立した値となる。
リリース日のダウンタイムに以下の作業が行われる。

データベースのすべてのキャラクターにセキュリティーステータス値を新しく追加する
CONCORD → キャラクターの (補正を除いた) スタンディング値を、新設されたセキュリティーステータス値にコピーする
CONCORD → キャラクターのスタンディング値をすべてワイプする

そしてその後はゲーム内のすべての仕様 (アウトロー状態の挙動、NPC 撃墜の報酬、警察の挙動等) が新セキュリティーステータスにもとづいて機能するようになる。セキュリティーステータスは従来どおり -10 から +10 までの範囲におさまり (※現実的には -10 から +5 までですが、きわめて古いキャラクターにはかつての仕様である +10 のセキュリティーステータスをもったものが一部存在しているため)、さまざまなソーシャル/コネクション系スキルの影響は受けない (ただし高速会話 (Fast Talk) は除く。高速会話は引き続き「お尋ね者」の NPC を倒すことによって得られるセキュリティーステータスの上昇量に、レベルごとに 5% のボーナスを得られる)。
というわけで最初の質問「CONCORD へのスタンディングも買える」のかということだけど、答えは「買えない」だ。セキュリティーステータスをタグ + ISK で買うことはできるけど、スタンディングを買うことはできない。

「サイクルラッティング」への変更

スタンディングのシステムはそもそも急激な変化はしないような値を管理する目的で設計されているので、一回一回の処理をある程度データを「タメ」てから行う (キャッシング) ようになっている。行為がなされてから実際に値に変更が適用されるまでに 15～20分はかかるのが一般的で、各星系ごとに独立したキャッシュが設定されている。この仕様のせいで海賊 NPC を倒すことによって得られるスタンディングの上昇にはかなりの遅延がある。1ティック (この場合のティックとはスタンディング計算プロセスがキャッシュレイヤーを巡るのに要する合計時間だ) 中に倒された、もっとも価値の海賊 NPC だけがスタンディング上昇の査定に用いられる。さらにキャッシュが星系ごとに独立していることから、一つのキャラクターが複数の星系をまたいで海賊 NPC を倒すことで複数のティックを併存させることが可能になってしまっている。これが「サイクルラッティング」で、このようなスタンディングシステムの仕様を用いてセキュリティーステータスを普通よりも高速に上昇させる行為だ。
スタンディングシステムからセキュリティーステータス値を独立させることにともなって、この挙動も撤廃することにした。「査定待ち」のプロセスは単一となり星系の移動に影響されることなくキャラクターを管理するようになる。仕様的にはティックは「星系ごと」ではなく「キャラクターごと」に変わる。複数の星系をまたいで同時に複数のティックを併存させることはもうできなくなる。今後は、ティックはきっちり 5分ごとになり、そのキャラクターが NPC を最初に撃墜した時点からカウントが開始される。これにともなって一部の NPC については得られるセキュリティーステータスの上昇量を再調整するので、ティックごとの上昇量に若干の違いがでることもあるかもしれない。

これを試せるようになるのはいつ？

まもなくテストサーバーをアップデートしてこれらの (そしてこれら以外のたくさんの) 新仕様を実装する予定だ。ぜひフィードバックを寄せてほしい。楽しみにしているよ。

最後にようやくグラフを

ファンフェストで行ったプレゼンで、レトリビューション拡張が PvP 、とくにローセクでの PvP にどのような影響をもたらしたかについて話した。各グラフについてのコメントや解釈、および一部の特異的な箇所についての注釈については、録画を見てもらうことをお勧めしたい。

PvP で撃墜された船の総額 (船体のみ、一週間ごと)